現地時間11日、閉会式を終えてパリ五輪が幕を閉じた。
開催期間中、純粋な「スポーツ」以外の部分で大いに物議を醸したパリ五輪だが、現地のスポーツ放送局の投稿した画像の内容が「人種差別では?」と、追い打ちをかけるように炎上しているのだ。
ことの発端は、11日深夜(現地時間)に欧州の大手スポーツ専門放送局・EurosportのXアカウントが投稿した1件のポスト。
「地球上で最も素晴らしいショー」「パリ2024、我々は君のことをずっと忘れない」と情熱的な文章の綴られた投稿には、今大会で勇姿を見せてくれた選手たち勢揃いの画像が添えられている。
The Greatest Show on Earth
Paris 2024, we will never forget you pic.twitter.com/uA8KMou8co
Eurosport (@eurosport) August 11, 2024
いずれも、全力で競技に挑む瞬間、勝利の雄叫びを上げる瞬間、空気が張り詰めるほどの集中力が感じられる一瞬の緊張感を切り取った素晴らしい写真だらけだが、違和感を覚える人が続出する事態に。
そう、約30名の選手たちが登場する画像の中で、なんとアジア系選手の写真はわずか1枚しか使用されていないのだ。
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金メダル獲得数で上位3カ国をキープし続けた中国と日本、ベスト10に食い込んだ韓国など、大健闘を見せたアジア勢。
それだけに、パリ五輪の振り返りとも言える画像の中に登場するアジア人選手が韓国のキム・イェジ選手(射撃)のみ、という状況は大いに物議を醸している。
欧州スポーツ放送局、パリ五輪の祝辞が「人種差別では?」と炎上…の画像はこちら >>
同ポストには「西洋人しかいなくて驚いた」「アジア人選手はいないのに、選手でないトム・クルーズはいるのか…」「これは差別だろ」「五輪は忘れないのに、アジア人のことは忘れてる」「なんか悲しいな…」といった疑問の声が多数寄せられる結果となった。
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一方で「五輪公式でなくEurosportの発信だから、ユーザー国中心で画像作るだろ」「Eurosportがカバーしてるマーケットがヨーロッパ中心だから、欧州の選手が多いだけでは?」「何でも差別に結びつけるべきではない」など、分析するXユーザーの意見も見られた。
パリにて店員さん来なくてそろそろ腕が限界な僕どうぞ。 pic.twitter.com/FCBDwEywnQ
高藤直寿TAKATO NAOHISA (@naohisatakato) August 9, 2024
なお、高藤直寿選手(柔道)が日本時間9日に「パリにて店員さん来なくてそろそろ腕が限界な僕どうぞ」と綴り、レストラン内で腕を上げ続ける写真を添えたポストに対しても「人種差別では?」「文化が違うだけかも」など、疑問の声が相次いでいた。
こうした背景もあり、「差別」に感じられる言動や発言に敏感な状態となっている人も少なくないのだろう。
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秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。