≪前編≫人材獲得競争が激化するベトナム…地方都市に注目 新潟県経済関係者が交流強化へ現地訪問

8月、新潟県や県内企業の関係者などがベトナムを訪問し、人材獲得や販路拡大に向け交流しました。近年ベトナム市場でも競争が激化する中、経済関係者が今注目するのは地方都市です。2回シリーズの前編です。8月3日、新潟空港に集まっていたのは県や県内企業の関係者などからなるベトナム訪問団です。花角知事は就任後4度目のベトナム訪問ですが、今回の目的地はこれまでと少し違います。【花角知事】「ビンロン省・タインホア省という二つの省と、人材と経済の交流促進を狙いとする」新潟から約4000キロ、ベトナム経済の中心地ホーチミン市からさらに南に130キロ以上走り到着したのは…【記者リポート】「アジアの大河メコン川が流れます。その河口付近はメコンデルタと呼ばれ、農業が盛んな地域」そんなメコンデルタに属するのが、今回の主な目的地の一つビンロン省。人口は100万人あまり、農業が主要産業の地方都市です。そのビンロン省政府を訪れた一行。【花角知事】「ビンロン省とは人材の交流さらには技術の交流深い交流ができるよう、一緒に取り組んでいきたい」【ビンロン省 ルー クアン ゴイ人民委員会委員長】「今後強い交流を続けていくため、お互いの強みを補完できるよう協力したい」今回の地方都市訪問の背景にあるのは近年のベトナム市場の変化です。平均年齢は30代前半と若く、労働人材の供給地として注目されるベトナム。県内企業も17社が事務所や工場を構えていますが、その進出先の多くを占める首都ハノイやホーチミンの都市部では、経済の発展とともに人材の獲得競争が激化。人件費もここ数年上がっています。実際にハノイに精密機器製造の現地法人を持つ長岡市の日本精機は…【日本精機 佐藤浩一社長】「これからもっとエンジニアの需要が増えてくるので、その時にちゃんとしたエンジニアが入ってくるか、そこは頭が痛い所」
こうした中、県はベトナムの地方都市に目を向けようと去年11月、ビンロン省やベトナム北中部地方のタインホア省と、人材交流などの促進に向け覚書を締結。今回の訪問は今後2つの地方都市との交流を具体的に進めていこうと行われたものです。ビンロン省に続き訪問したタインホア省でも…【花角知事】「タインホア省の若い世代が国外で働いてみたいという時にぜひ日本の新潟県で受け入れをしていきたい」【タインホア省 ドー チョン フン党委員会書記】「タインホア省には人材がたくさんいる。ぜひ深い協議ができるよう期待している」ベトナムの地方都市にとっても日本からの投資を呼び込むチャンスと、交流の促進を歓迎しています。それぞれの省政府との夕食会では、お互いの地域の産品を紹介するブースが設けられ、さっそく訪問団の参加企業についてもアピールされました。花角知事は地方政府との交流の促進に向け手ごたえを口にします。【花角知事】「人材の送り出しということに関しては、二つの省ともに熱心で新潟県としてもしっかり受け入れの環境を整えて、ウィンウィンの関係が築けるようしっかり取り組んでいきたい」熱い視線が注がれるベトナムの地方都市…一方人材の受け入れを巡っては課題もあるようです。