スパリゾートハワイアンズの元フラガール 第18代キャプテンは広報担当…小室美咲さん「皆をつなぐ架け橋に」

福島・いわき市のスパリゾートハワイアンズのフラガール「ラウレア美咲」として活躍し、第18代キャプテンを務めた小室美咲さん(31)は23年9月にダンサーを引退。今は、広報担当として第2の道を歩んでいる。10年以上立ち続けてきたステージを降り、ダンスから言葉に表現方法を変えた今も、精いっぱいにハワイアンズの魅力を伝え続けている。
(取材・構成=秋元 萌佳)
小室さんは高校卒業後、2012年の入社からフラガールとして活躍。19年にはソロダンサーに就任し、21年1月からは第18代キャプテンとしてチームをまとめた。思い出が多く詰まったステージを降り、広報担当として新たな道を歩む決断をした。
「毎日全力でやり切って、悔いもないです。ダンサー時代に司会などをする場もあり、引退前からゆくゆくは自分の声や言葉で表現したいと思っていたので、希望通りの道へ進めました」
華々しい衣装やメイク、腰まであった長い髪とも別れを告げ、スーツに身を包んで慣れ親しんだ「ハワイアンズ」へと出勤する。昨年9月の引退後、社内研修を受けて11月から広報の道へ。ダンサー時代とは大きく変わった毎日を過ごす。
「お昼に出勤してレッスンや座学、ステージと夜遅くまで踊っていたのが、早起きして3食しっかり食べてよく寝ています。本当に健康的(笑い)。引退して、髪を20センチ以上切ったのよりも、舞台メイクじゃない姿で皆の前に行く方が本当に勇気が要りました。『こんな顔してたの?』って思われるんじゃないかって」
現在はプレスリリースやニュースレターの作成、地元ラジオ局でハワイアンズ公式番組のパーソナリティーも務めている。
「たくさんある魅力を文章に落とし込む作業が本当に難しいなと思います。ダンサー時代のインタビューでは、出てきた気持ちをそのまま言葉にできたし、ちょっとごまかしも利いたんですけど(笑い)。同じ内容でも口でぽんぽんと出てきた言葉が出なくて、文章で世に発信すると思うと緊張感やプレッシャーが違う。でもいただく反応がダンサー時代とはまた違って、面白さも日々感じています」
表舞台で輝くダンサーたちを一歩引いた目線から見守り、取材対応も行う。
「今までの『私を見て』という感覚ではなく『この子たちを見てほしい、輝いてほしい』という感情が生まれたのが一番大きく変化したところ。キャプテンをしていたときとはまた違う、親目線というか、ちょっと離れたところで見守る楽しさが出てきました。取材対応している時には、私が近くにいたら話しづらいかなとか、そういう距離感も大事にしています(笑い)」
ハワイアンズは東日本大震災やコロナ禍と苦境を乗り越え、25年には60周年を迎える。小室さんも初のダンサー出身広報として、新たなステージで歴史を紡ぎ、思いを届ける。
「私の全てが新しい歴史になる重みもあるけれど、私にしかできないこともたくさんある。お客様にとっても、ダンサーにとっても、皆をつなぐ架け橋のような存在でいたい。たくさんの方に幸せな思い出をつくってもらって、笑顔で帰っていただける場所をつくり続けていきたいです」
◆小室 美咲(こむろ・みさき)1993年4月10日、茨城県北茨城市生まれ。幼少期からジャズダンスを習い、中学2年でフラダンスに出会う。いわき総合高では自らフラダンス同好会を作り、「フラガールズ甲子園」の第1回大会に出場。12年にハワイアンズの運営会社「常磐興産」に入社。ソロダンサーに授与されるハワイアンネーム「ラウレア」は、ハワイ語で平和、幸福、友情を意味する。