航空需要が急回復し“人手不足”…中部空港で関連企業17社参加の合同説明会 新卒に加え経験者採用にも注力

中部国際空港で20日、初めて合同採用説明会が開かれました。国際線も再開し、各地の空港はコロナ禍前の賑わいを取り戻しつつありますが、航空業界では「人手不足」が懸念されています。

旅行客などで賑わう空の玄関口・中部空港。3月1日時点で国内線はコロナ前の7割まで回復、一時ゼロになっていた国際線も週87便と徐々に戻り、5月からは中国本土を結ぶ定期便も3年2カ月ぶりに再開する予定です。

その中部空港で20日、合同採用説明会が開かれました。参加したのは、中部空港で航空機の誘導や給油、空港内の保安検査や警備などにあたる関連企業17社。およそ250人の学生らが各ブースで熱心に話を聞いていました。

大学生:
「一つの空港でこれだけ多くの企業が支えているんだとびっくりしました。外国の方も来られるので、航空業界も忙しくなると思うので、何か手伝いができる仕事がいいなと考えております」

国際線が本格的な回復を迎える中、懸念されているのが人手不足です。

中部空港によりますと、コロナ禍前の2017年度におよそ1万200人いた空港関連の従業員は、21年度におよそ8500人にまで減少。急速な航空需要の回復に、人手が足りない状況だと言います。

そのため、今回の採用説明会では新卒の学生だけでは無く、航空業界の経験者を呼び戻すことにも力を入れています。

転職活動中の48歳男性:
「20年以上、石油業界で働いていまして。今までの経験に一番近いところもありましたので、ちょっと話を聞いてみたいなと」

中部国際空港・人事グループ:
「航空業界に対する不安をお伝えいただくことが多かったんですけれども、(業界が)だんだんと回復しているからこそ、飛び込みたいという思いで来てくださる方が多くなってきているなと実感しております」

また、日本航空と全日空は、コロナ禍の減便中に他の企業に出向していた社員を呼び戻しているほか、見合わせていた客室乗務員の新卒採用を日本航空は2023年の春から、全日空は2024年春から再開するなど、航空業界全体で人員確保の動きが加速しています。