7月の東京都知事選で次点となった前安芸高田市長の石丸伸二氏(42)が8月18日、自身の公式YouTubeチャンネルを更新し、立憲民主党を活性化するために、次の総選挙で立憲党首の選挙区から出馬して”一騎討ち”をするというアイデアを披露。勝った場合には、立憲を”乗っ取る”と意気込みを見せた。
動画内で石丸氏は「自民党総裁選より興味があるのは、立憲民主党の代表選ですよ」といい、泉健太代表(50)や出馬の意向を示した枝野幸男前代表(60)、党千葉県連所属議員の有志から出馬要請を受けた野田佳彦元首相(67)による次期代表選に関心を示した。
しかし、「完全にスルーされてません? 今。大丈夫ですか? 立憲民主党。だいじょばないでしょ。全くと言っていうほど話題になってなくないですか?」と、自民党の総裁選ばかりに関心が向いている現状を指摘。「この関心の低さよ。この立場で政権交代とか言えないでしょ。立憲。頑張ってくださいよ、頑張りましょうよ」と発破をかけた。
石丸氏は「立憲に何の恨みもなくて、本当に頑張って欲しいと思ってるんですよ、野党第一党としてね」といいつつも、「この現状を前にして、恐ろしいほど無視されてるんですよ、国民から、メディアから」と発言。「何か手を打とうよ」「何で慌ててないのかなってびっくりします」と、立憲の姿勢に疑問を呈した。
さらに「穿った見方をすると、今の万年野党のポジションの座り心地がいいのかなって勘ぐっている」といい、「でもこれ、最悪の政治屋ですよ。民主主義に寄生しているだけじゃないですか。さすがにそこまで落ちぶれてないでしょって信じたいんですけど、だとしたら、手を打たなきゃ」と苦言。
そこで提案として、9月の自民党総裁選後の解散総選挙では「次の立憲民主党の党首の方の選挙区で、僕が出ます」と石丸氏から驚きの発言が飛び出した。
「一騎討ち。その時は自公も協力してください。立てないで、対抗馬。僕と立憲民主の代表が一騎打ち」と与党に協力を呼びかけ、「看板を変えたばっかりの、変わってないかもしれないけど、代表戦の直後に実は一番のピンチが来るってなったら、注目集められるんじゃないんですか? 少なくとも今のまんまよりかはみんな気になりますよ。自公も協力的、こっちに乗っかってくれたりしたら、いよいよ壊滅するか否かでしょ? でもそこからじゃないですか、立て直すのは」と持論を展開した。
この戦略は炎上目的ではないといい「リスクを取らないとリターンってないじゃないですか。原理原則、基本の話として。だとしたら、今のは例えですけど、それぐらい何か工夫して、自分たちの政治生命をかけて国民に訴えるという姿勢をまず見せなきゃ、自分たちの思いって伝えられなくないですか? 政治家の仕事ってそういうもんじゃないですか? 机に座っててどうにかなる話じゃないでしょ」と熱く語った。
さらに「その代わり僕が立憲民主党の代表に勝ったら、僕を立憲民主党の党首にしてください。乗っ取ります。潔く」といい、「僕は負けて失うものが何もないというちょっとずるい立場なんですけど。そこで一騎討ちで勝ったら、今回の代表選の勝者のさらに勝者だったら”キングオブキング”にしてくださいっていうところから、”政権交代だ!”ってなったら勢いつくかもしれないじゃないですか」と冗談とも本気ともつかぬ発言をした。
立憲を活性化させるために、立憲党首の選挙区へ出馬し、もし勝ったら立憲を乗っ取るという石丸氏。YouTubeのコメント欄では《立憲は万年野党に甘んじてて、批判はするけどそれだけ! 自民党にもげんなりしてるけど劣らず野党にも劣らず失望してる 石丸さんの様な人は初めてだ。初めて希望を持てた》《政治のエンタメ化ですね!一貫したスタンス、ワクワクします!!》と賛同する声が寄せられていた。
一方、突飛なアイデアに対しXでは困惑の声も相次いだ。
《意味不明さが加速》《出たきゃ出れば良いとは思うけど、結局石丸氏って何がしたいの?ってなる。立憲を乗っ取ると言うのも本気じゃないだろうし、日本の政治を変えたいと言う意思みたいなのも、その言葉からは感じられない。正直、世間から注目を集めて承認欲求を満たす、インフルエンサーと変わらない感じしかない》《発想は面白いけど実現できるかねえ。仮に勝っても党首の座は渡さないでしょ笑 それとも突飛な発言で注目を集める目的なのか》
石丸氏は、都知事選後、報道陣から国政挑戦の可能性を問われると「選択肢としては考える。例えば広島1区。岸田首相の選挙区です」と語り、これらはあくまで選択肢の一例として強調していた。そのため、今回の発言についても、実際には行わず話題作りのためではないかとの見方をする人も多い。立憲民主党の杉尾ひでや参議院議員はXで次のように投稿していた。
《前回は岸田総理の地元で、今回は泉代表の地元ですか?有権者をなめてませんか?所詮、話題づくりの一環ですか?いったい貴方は何がしたいのですか?》