熊谷俊人千葉県知事は22日の定例記者会見で、自民党総裁選と立憲民主党代表選について「県内選出の国会議員が立候補や(出馬を)有力視されており、身近に感じる。政策本位の議論を」と述べた。自民党総裁選への出馬を表明した小林鷹之前経済安全保障担当相を「会ってきた国会議員の中でトップレベル」と高く評価。一方、首相の専権事項とされる衆院解散権への疑問も口にした。
熊谷知事は政治資金や少子化、地方自治など諸問題を挙げた上で「わが国を取り巻く環境は極めて厳しい。新しいリーダーとして何をするのか、どのように実現するのか、政策本位で議論を深めることが大事」と強調。小林氏については「幅広い分野で的確な政策の知識がある」とし、人との信頼関係を構築する人間性や「人格の安定性」も含めて評価するとした。
総裁選後に解散総選挙が行われるとの観測には「基本的に総裁に選ばれた直後は一番求心力が高いわけで、直後に解散できるのは圧倒的に有利。その観点からフェアではないと思う」との認識を示した。
また、首相が任意のタイミングで解散できる現行制度にも言及し「常に選挙を意識した政治の意思決定が行われてしまう」と弊害を指摘。「有権者に不評でもやらなければならないことを後ろ倒しにしてきた結果、わが国の今の状況がある。先進国の中で比較的珍しい(解散権の)制度がそもそもわが国の民主主義にとって良いものかどうか、議論されるべき」と話した。