注目される新潟県の“再稼働”判断 「遅くとも知事選までに…」具体的な時期明言しない知事に柏崎市長「信を問うのはもう行われるべき」

柏崎刈羽原発の再稼働をめぐり8月22日、新潟県柏崎市の桜井雅浩市長が「要請があれば応じる」考えを示したことで注目されるのが県の判断です。ただ、花角知事は「遅くとも再来年の知事選までには判断する」と話し、具体的な時期を明言することは避けています。

22日、東京電力の小早川智明社長と面会し、再稼働の要請があれば応じる考えを示した柏崎市の桜井雅浩市長。

刈羽村の品田宏夫村長は一貫して再稼働に賛成の立場をとっていることから、今後は花角知事の判断が焦点となりますが…

【花角知事】
「遅くとも知事選ぐらいまでには県民の意思も固まるだろう。それを受けて、私の判断もできることになる」

これまで「県民に信を問う」と話してきた花角知事。遅くとも再来年の知事選までには判断するとしていますが、具体的な時期の明言は避けています。

その花角知事が判断の材料の一つとしているのが、県の技術委員会による議論。

【県技術委員会 中島健 委員】
「技術委員会として、どう捉えたかというところがないと、報告書としては少し抜けているのでは」

これまで、福島第一原発の検証結果などをもとに東京電力に対し説明を求めていた22項目の確認もおおむね終わり、23日は報告書の素案が示されましたが、素案に委員会の見解を入れるべきとの声が…

【県技術委員会 小原徹 座長】
「これから(委員から)意見をいただいて、それを改訂しながら完成させていく。提言、意見的なものを入れたらどうかという意見が確かに出たし、それを踏まえて議論していくことになると思う」

技術委員会は報告書の作成に期限は設けない考えで、その取りまとめの時期は未定。これも花角知事の判断の時期が見通せない要因の一つです。

こうした状況に…

【柏崎市 桜井雅浩 市長】
「県としての考えが示されないまま、『皆さん、どうぞ議論してください』という状況が5~6年続いているので、ご自分の見解・見識・考え方というものを示して、まさに信を問うということはもう行われるべきものだと思っている」

どのように再稼働議論が進展していくのか…その道筋は誰も描けていないのが現状です。