ヒョンデのEV「コナ」は売れてる? 新モデル「Nライン」の特徴は? 実車を確認

韓国のヒョンデ(Hyundai)が2023年11月に日本で発売した電気自動車(EV)のコンパクトSUV「コナ」(KONA)は、実際のところ売れている? 新たに登場したスポーティーグレード「Nライン」は通常版と何が違う? Nラインに試乗する機会を得たので聞いてきた。

コナの販売状況は?

コナはいわゆる「Bセグメント」に属するコンパクトSUVだ。ガソリン車もあるが日本では電気自動車(EV)のみを販売している。日本では「ZEV」(ゼロエミッション車)のブランドとして勝負するというヒョンデの戦略にのっとった商品展開だ。同社が日本で販売しているのは燃料電池自動車(FCEV)の「ネッソ」(NEXO)、EVの「アイオニック5」(IONIQ5)、コナの3車種。

気になるのはコナの販売状況だ。

ヒョンデの日本法人であるHyundai Mobility Japanに聞くと、同社では、アイオニック5を導入初年度(2022年度)に500台販売した。コナ導入により、次年度の販売台数はさらに伸びるはずだったのだが、販売台数は年間500台規模(アイオニック5とコナの合計)で変わらなかったそうだ。

コナについては、導入前に見込んでいたほど販売が伸びていないらしい。その要因は「我々の努力不足もある」ものの、日本で「EV市場に逆風が吹いた」ことも影響したと同社の担当者は話していた。

コナは日本導入からもうすぐ1年というタイミングで、最近はメディアへの露出も減っていた。今回のNライン導入には、内外装の新たなオプションを用意することで拡販につなげたいという思いもあるが、新モデル導入により改めてコナに注目してほしい、話題を喚起したいという考えもあるとのことだった。

「Nライン」の特徴は?

ヒョンデの高性能ブランドは「N」という名称だ。例えばアイオニック5には高性能な「アイオニック5 N」というモデルがあり、日本でも先日発売となった。「Nライン」というのは「既存のモデルに『N』の感性を加えたモデル」であるというのがヒョンデの説明。メルセデス・ベンツでいう「AMG」が「N」、「AMGライン」が「Nライン」と考えればわかりやすいかもしれない。

コナの新グレード「Nライン」は既存の最上級グレード「Lounge」と同等の装備内容。動力性能、走行可能距離、セッティング(足まわりなど)は変わっていない。通常版と違うのは内外装だ。

つるりとしていて近未来的かつ宇宙的なデザインがコナの特徴だ。ただ、この見た目は好き嫌いがはっきりと分かれそうな雰囲気でもある。随所をブラックで引き締めた精悍な印象のNラインが登場したことで、「これなら自分の好みに合うかも」と感じる人が増えれば、ヒョンデの狙い通りということになる。