メルシャン、世界の潮流“レッド・ブレンド”でラインナップ拡充! ワイン市場の再拡大を目指す

メルシャンは、同社が展開する「Mercian Wines(メルシャン・ワインズ)」ブランドと「フロンテラ プレミアム」シリーズに、世界の潮流となっている「レッド・ブレンド」の新商品をラインナップ。その発売に先駆けて、「メルシャン“ブレンドワイン”セミナー&新商品先行体験会」を開催した。

今回のセミナーでは、世界の潮流となっている「レッド・ブレンド」を含めた“ブレンドワイン”について、その歴史や特徴、世界のトレンドなどを解説。また、「メルシャン・ワインズ」ブランドと新商品「メルシャン・ワインズ ブレンズ パーフェクト・ブレンド リッチ レッド」、およびコンチャ・イ・トロのサステナブルなワイン造りと、世界に先駆けて日本で発売する新商品「フロンテラ プレミアム レッド・ブレンド」の魅力が、試飲を交えて紹介された。

メルシャン マーケティング部 ブランドグループの伊藤佳奈子氏は、ワイン市場の現状について「2008年以降拡大してきたが、直近5年は停滞。市場規模も総酒類の4.3%と小さく、今後のワイン市場拡大に向けて、新しい価値提案で市場の活性が求められている」と説明。「『メルシャン・ワインズ』や『フロンテラ』ブランドで、もっとワインは日常で楽しめるということを提案していきたい」と今後の展望を語った。

ブレンドワインの一般的な定義は「複数のブドウの品種を使って造られているワイン」だが、その中でも「レッド・ブレンド」は、アメリカからブームが始まったスタイルのひとつ。赤のブレンドワインの中でも、凝縮した果実感、ほんのり甘みのあるスタイルを指すことが多い。アメリカでは、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローといったブドウの品種と並列的に扱われており、そのスタイルのひとつとしてしっかり根づいているという。

レッド・ブレンドが流行したのは、「味わいが好まれた」だけでなく、「わかりやすさ」も大きな要因となっており、もともとワインは“品種”や“産地”といった要素が奥深さであり、面白さである一方、それが小難しさとなり、敬遠される理由ともなっている。その状況において、レッド・ブレンドとすることにより、産地や品種ではなく、ひとつのスタイルとして訴求できるのが「わかりやすさ」という意味で大きく、実際にワインを飲み始めるくらいの若年層に好まれる傾向にある。

2022年年3月に発売された「メルシャン・ワインズ」は、“もっと多くの日本のお客様に、気軽に、自由にワインを楽しんでいただくこと”を目指し、日本人に合うワインを世界のワイナリーと共に創るワインブランド。「環境負荷軽減」「産地との共存」「人への負荷軽減」「情報の見える化」の4つの項目に挑戦し、“持続可能なワイン造り”を掲げている。

「メルシャン・ワインズ ブレンズ パーフェクト・ブレンド」は、2つの異なる原産国のワインをブレンド。2つの国のワインをブレンドすることで、表現できる味の幅が広がり、厚みの深い味わいが作り出せるだけではなく、南半球と北半球の国を選ぶことで、災害や気候変動の影響をできるだけ少なくし、安定供給を可能にすることができるのも大きなメリットとなる。

新商品として3月22日より発売された「メルシャン・ワインズ ブレンズ パーフェクト・ブレンド リッチ レッド」は、フレッシュな赤系果実の香りと爽やかな酸味のチャーミングなイタリアのワインと、果実味豊かでしっかりした骨格のオーストラリアのワインをブレンド。辛口のフルボディタイプで、渋みはやや強く、熟したブドウの香りと厚みのある味わいで、心地よい後味の余韻を楽しむことができる。

一方、しっかりした骨格のアンゴーヴ(オーストラリア)、なめらかな味わいでフルーティーなアンドリュー・ピース(オーストラリア)、凝縮した果実味のペニンシュラ(スペイン)のワインをブレンドした「メルシャン・ワインズ ブレンズ パーフェクト・ブレンド マイルド レッド」は、発売以来、高い評価を受ける「メルシャン・ワインズ ブレンズ パーフェクト・ブレンド レッド」の名称を変更し、パッケージをリニューアルしたもの。果実味豊かなまろやかなコク、バランスの良さ、そして飲みやすさが大きな特徴となるミディアムボディのワインで、赤ワインの渋みが苦手な人にも、非常に飲みやすい仕上がりとなっている。

メルシャン マーケティング部 ブランドグループの水野俊介氏は、ワイン市場が直近で停滞している要因のひとつに、これまでワインの市場拡大を牽引してきたコスパの高いチリワインがコロナ禍を経てダウントレンドになっている点を挙げ、特に500円を切るような低価格帯のワインのボリュームが下がっていると指摘する。

その一方で、同じチリワインでも、本格・上質の「カッシェロ・デル・ディアブロ」ブランドは、コロナ前よりも水準を上げており、右肩上がりで伸長しているという。これは、は価格が高くても自分の気に入ったものを買いたいという“こだわり消費スタイル”の増加が影響しているとし、「今後は、チリワインのプレミアム化、チリワインのイメージを“安くて美味しい”から高品質なワインへと変革していくことが、日本市場を再成長させる鍵になる」と力説する。

メルシャンが展開する「フロンテラ」ブランドは、世界70カ国で愛されるグローバルブランドで、世界第2位の畑の面積を持ち、販売規模も世界で第5位を誇る、チリNo.1ワイナリー「コンチャ・イ・トロ」が手掛けている。「フロンテラ」には「スタンダード」と「プレミアム」という2つのブランドが用意されているが、500円前後で販売されている「フロンテラ スタンダード」と1,000円を越える「カシェロ・デル・ディアブロ」の中間に位置する「フロンテラ プレミアム」を、“手の届くプレミアムを体現する”ブランドに育て、飲みやすくて、親しみやすいという味わいを軸に、本格ワインへの架け橋となる商品として開発を進めているという。

「フロンテラ プレミアム」は、素材となるブドウ、収穫される区画をワインメーカーが厳選。オークを使用することで、上質な味な香りと味わいをプラスし、ひと手間をかけたプレミアムな味わいを実現している。また、プレミアム感を強化するために、既存品のパッケージをリニューアル。「イノベーティブ」「洗練」「チャレンジ」を表現するデザインは、コンチャ・イ・トロと協働して開発された日本オリジナルラベルで、ブランドの象徴である「アンデス山脈」のモチーフに、金色の箔を用いたラベルとメダルを配し、視認性と上質感をアップさせている。

「フロンテラ プレミアム」の赤には、世界に先駆けて日本で3月28日より発売される新商品「フロンテラ プレミアム レッド・ブレンド」と、パッケージリニューアルが行われた「フロンテラ プレミアム カベルネ・ソーヴィニヨン」などがラインナップ。「フロンテラ プレミアム カベルネ・ソーヴィニヨン」は、ベリーや黒い果実の香り、そしてオーク由来のバニラの甘い香りが豊かで、渋みが少しのり、酸味も感じさせるドライな味わいが魅力となる。

一方、「フロンテラ プレミアム レッド・ブレンド」は、ブラックチェリーやチェリーのような甘い果実の香りとなめらかな味わいで、酸味は大人しく、渋みをあまり感じさせない、非常に飲みやすい仕上がり。レッド・ブレンドならではのジューシーさがあり、上品で、やや甘みを感じさせる。

近年縮小傾向にあるワイン市場の拡大を目指すメルシャンは、“ワインがお客様にとって魅力ある飲み物になること”が必要だと考えており、「メルシャン・ワインズ」を通じて、既存の枠にとらわれず、高品質で美味しく、日常をもっと楽しくするようなワインを提供するのに加え、「フロンテラ プレミアム」でチリワインのさらなる高品質化を図ることによって、輸入ワインに対して感じる難しさや限定感を解消し、ワイン市場の再拡大を目指すとしている。

糸井一臣 この著者の記事一覧はこちら