脅かされる日本の石油事情 中東・イスラエル&イランの緊張が激化の恐れ

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ウクライナ侵攻は世界のエネルギー問題を悪化させた。日本はロシアが極東で手がける石油・天然ガス開発事業サハリン2に多くを依存しており、侵攻によってロシア批判が世界で強くなる中、日本の三菱商事と三井物産は引く続きサハリン2に出資を続けるという苦渋の決断をした。
日露関係が冷え込む中、いつウラジーミル・プーチン大統領に石油天然ガスを止められるか分からず、極めて高いリスクがある。
しかし、日本の逼迫するエネルギー事情から、リスクを背負ってでも続けなければならないという2社の強いジレンマが想像できる。
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しかし、日本の石油事情を考えれば、今後のリスクは中東にある。日本は石油の9割以上をサウジアラビアやUAE、カタールなど中東に依存しており、それに比べるとロシアは微々たるものだ。
だが、今年以降、中東情勢は厳しくなるかも知れない。じつはイランがその原因で、最近イランは核開発を再び活発化させており、昨年末にイランと対立するイスラエルでは過激なベンヤミン・ネタニヤフ政権が誕生し、場合によってイスラエルがイランを攻撃する潜在的リスクが浮上している。
しかも、イランはウクライナ侵攻を続けるロシアを庇い、ロシアへ自爆型ドローンを大量に供給するなどし、世界から批判の目にさらされている。欧米もイランへの苛立ちを昨今かなり強めており、今後はイランの行動次第で中東情勢が悪化する恐れがあるのだ。
仮に中東有事となれば、日本の石油事情は大きく悪化することになり、ガソリン価格が急激にアップし、市民の生活が滞る可能性が高い。今後の中東情勢には注意が必要で、中東依存を下げることも国家戦略として重要になる。
(取材・文/セレソン 田中)