欲しいのは「ガチでゲーマーっぽい攻撃ドローン使い」 ついに欧州の大国も育成へ ウクライナ戦受け

戦場の常識を変えた存在?
イギリス陸軍は2024年8月30日、第16空中強襲旅団戦闘団から選抜したドローンオペレーターをドローンアカデミーに送ると発表しました。
欲しいのは「ガチでゲーマーっぽい攻撃ドローン使い」 ついに欧…の画像はこちら >>通常のドローンを操作するオペレーター(画像:イギリス陸軍)。
ドローンアカデミーは、イギリス戦略司令部のイノベーションチーム「jHub」が陸軍の戦闘訓練センターと共同で設立した、自爆ドローンオペレーターのスペシャリストを育成する組織です。
イギリス軍は現在、偵察用ドローンを導入しており、兵士らが3週間のコースを修了しドローンオペレーターの資格を得ています。
しかし、今回イギリス陸軍が欲しているのは、自爆ドローンに最適といわれている、VRゲームで使うゴーグルのようなヘッドセットを付け、自身の視界と同じ1人称視点での操作が要求されるFPVドローンを使える兵士です。このタイプのドローンは2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻が始まって以降、ウクライナ軍が積極的に使用して戦果を上げており、その戦術的な価値の高さに注目したイギリス軍も、本格的に操作を担当する人員の育成を始めました。
FPVドローンは電波妨害を受けにくく、通常のドローンでは難しい狭い隙間などに入り込めるため、車両や陣地、建物などを自爆攻撃するには向いていますが、操作は難しいとされています。
空挺連隊第2大隊の上級ドローンオペレーターであるアダム・バーンズ軍曹は「操作は難しいですが、FPVドローンの方がはるかにシンプル。適応性が高く、安価な機材です。熟練したオペレーターと適切なドローンがあれば、偵察だけでなく、目標を攻撃するのにも使用できます」と話します。
FPVドローンは戦場すら変える力を秘めているようで、バーンズ軍曹は「FPVドローンを装備した歩兵部隊は、通常であれば迫撃砲や大砲、あるいは空爆を要請しなければ攻撃できないような目標を、ドローンを飛ばして攻撃することができます。攻撃までのプロセスが短縮され、指揮官にはより多くの選択肢が与えられます」とアピールしました。