ANAグループのANAあきんどなどがアイドルのライブの参加を軸に、1泊2日でファンと彼女たちとの綿密な交流会を設けつつ、秋田県の名所を巡る”推し活”ツアーを展開。これには、どのような効果が期待できるのでしょうか。
ANA(全日空)グループのANAあきんどなどが、ユニークな地方創生事業を2023年3月に実施しています。アイドルのライブの参加を軸に、1泊2日でファンと彼女たちとの綿密な交流会を設けつつ、秋田県の名所を巡る”推し活”ツアーです。これにはどのような効果が期待できるのでしょうか。
ANAが驚愕の地方創生を展開! 「推しアイドルと行く1泊2日…の画像はこちら >>秋田県で実施されたANAあきんどと『虹のコンキスタドール』によるツアーの様子(乗りものニュース編集部撮影)。
今回の企画はアイドルグループの秋田市内のライブハウスで行われた『虹のコンキスタドール(虹コン)』のファンクラブ(虹コンだいすきクラブ)会員限定ライブへの参加に加え、ANAあきんど側がライブ翌日に同グループのメンバーとファンとの交流イベントを県内各所でセッティングしました。
もっとも距離の近いイベントは、秋田内陸縦貫鉄道の貸切列車で約2時間にわたった、メンバーとのトークイベント。ここでは、参加者であるファンクラブ会員と『虹コン』メンバーが気軽に話せる場が長く提供されたほか、参加に提供される昼食を、各参加者の「推しメン」が配膳するシーンなども見られました。
このほか、交流会の一環として、仙北市の武家屋敷めぐりや大館市の「秋田犬の里」でメンバーと施設見学イベントなども組みこまれています。
今回のアイドルを用いたユニークな地方創生事業は、秋田県側も協力しました。県の担当者は「最初聞いたときは、そんな企画が出てくるとは夢にも思いませんでしたが、同時に『面白そうだな!ついでに秋田の魅力を知ってもらえれば』と思いました。経済的な良い効果もありますし、アイドルのみなさんが県の魅力を発信してくださるので、よかったのではと思います」と話します。
また県の担当者によると、秋田県は温泉やグルメなどを楽しむ目的で観光する人が多く、その年齢層も高めとのこと。その一方でアイドルファンは年齢層も幅広く、SNSでの拡散によって、ファン同士の”横のつながり”が波及し、広い層に向けた同県の情報発信につながる効果が期待できるとしています。
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秋田県で実施されたANAあきんどと『虹のコンキスタドール』によるツアーの様子(乗りものニュース編集部撮影)。
一方でアイドルを使った地方創生を生み出したANAグループ。地域創生とアイドルを結びつけるアイデアは以前から温められていたものだそうで、『虹コン』の所属事務所であるディアステージとつながりがあったことから、この企画が実現したといいます。「これ一回で終わるのではなく、定期的に秋田県に来ていただけるようなきっかけを作れれば」(同グループ側の担当者)と話します。
ちなみに、『虹コン』メンバーはツアーを通して、ANA機で提供されているコンソメスープのおいしさをアピール。その結果、東京に戻る機内のドリンクサービスでコンソメスープの注文が殺到するという”珍事”も発生していました。