地域航空会社トキエアの関連会社に対し、佐渡市が離島の雇用拡大を目的として交付した補助金の返還を求めている問題で、トキエアは20日「当初から市の指導を受けつつ申請してきた」とのコメントを発表しました。
この問題は、離島での雇用を拡大する事業者などに対して資金の一部を補助する「雇用機会拡充事業補助金」について、トキエアの関連会社であるトキアビエーションキャピタルが不適切に受給していたとして、国が交付の取消を決定したものです。
関連会社は、佐渡市の紹介を受けてこの補助金制度を利用。市内に事務所を設置して3人の雇用を生み出したとして、2022年度は約630万円、2023年度は150万円の補助を受けていました。
しかし、国の調査で3人には市内での居住実態がなく、事業所の上下水道も15カ月中12カ月使用実績が無かったことが判明したことから、国は18日に交付の取り消しを市に通知しました。
市は19日に開かれた市議会の全員協議会で、補助金全額に加算金を合わせた約899万円の返還を関連会社に求める方針を説明。一方、交付対象となった3人の住所は、補助金の申請当初から市内のホテルとなっていて、市議からは市の確認体制に対する疑問の声もあがっていました。
これに対してトキエアは20日、以下のコメントを発表しました。
【トキエアのコメント】
「トキアビエーションキャピタルは、当該補助金について、当初から佐渡市の指導を受けつつ、法令に基づき各種の申請をしてまいりました。また、勤務実績についても佐渡市へ適宜報告を行い、補助金交付のご判断をいただいてきました。現時点では、佐渡市より当該補助金の返還を求める通知等は受領しておりませんが、内容が確認でき次第、適切な対応を行ってまいります。」
また問題が浮上した直後の今年8月、NSTの取材に対しトキエアは「佐渡市側から”雇用者が市内に住む必要はない”と説明を受けた」とコメントしていました。
今年に入り札幌丘珠線と仙台線を就航し、9月27日には中部線の就航も予定しているトキエア。
今後佐渡線の就航も目指していて、トキエアは正式に返還要請の通知が届き次第、返還に応じる考えです。