日の丸ステルス機「X-2」“終の棲家” 決まるか? 所沢航空発祥記念館で展示検討へ 埼玉県

所沢航空発祥記念館の展示の目玉になりそう!
防衛装備庁で試験飛行を行っていた先進技術実証機のX-2。2017年に予定されていた全試験を終えた同機は、その姿を見せることがなくなっています。ただ、もしかすると今後、再び見られる日が来そうです。その計画がこのたび埼玉県から出ました。
日の丸ステルス機「X-2」“終の棲家” 決まるか? 所沢航空…の画像はこちら >>先進技術実証機X-2(画像:防衛装備庁)。
X-2は、三菱重工が機体の取り纏め役となり、220社におよぶ国内企業が製造に参画した国産ジェット機です。非公式ながら「心神」という愛称でも知られていた同機は、「日の丸ステルス機」として国の内外から高い関心を集め、2016年4月に初飛行すると、2017年10月までに計32回のフライトを行い、予定していた全試験を終了しています。
X-2の今後をめぐっては、埼玉県にある所沢航空発祥記念館への展示が有力な選択肢のひとつとなっています。
同館は現在、展示のリニューアルや長寿命化改修を計画中です。埼玉県都市整備部公園スタジアム課が公表した「展示リニューアル基本構想」には、「展示機の入れ替え案」としてX-2の実機もしくはモックアップ、T-4練習機などを展示する方針が盛り込まれています。
なお、リニューアルにあたっては、自衛隊や航空機メーカーといった関係各所の協力を得ながら新たな機体の展示を目指すとしており、X-2の「終の棲家」として有力な候補になったと言えそうです。 X-2は実験機のため、防衛省が開発を推進している次期戦闘機とは別の機体になります。次期戦闘機はイギリスやイタリアとの共同開発となりますが、X-2の試験で得られた貴重なデータが開発に活かされるとみられます。そうした意味で、X-2は次期戦闘機の礎となった極めて価値の高い機体といえるでしょう。
今後、博物館で日常的に目にすることができるようになるのか、埼玉県が策定する所沢航空発祥記念館の「展示リニューアル基本構想」の進捗は今後、注目を集めそうです。