「自分で考えて練習」「文武両道目指す」パリ五輪4位入賞の卓球戸上隼輔選手を育てた「松生卓球道場」卓越した育成術に迫る

2度の日本一の実績をひっさげ、パリオリンピックに出場した戸上隼輔選手。カミソリドライブと呼ばれる切れ味抜群のウイニングショットを武器に日本のベスト4入りに大きく貢献しました。
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そんな戸上選手を育てたのは三重県津市にある松生卓球道場。
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道場には戸上選手が獲得したトロフィやメダルが所狭しと飾られています。中にはこんなものも!
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(松生幸一館長)「あそこの写真は隼輔の初めてのサイン。小学生でサインがないので実直に書いた。」
道場に通う子どもたちの、あこがれの存在はもちろん…Q.好きな選手はいる?生徒①「まあ戸上君だよね。」生徒②「戸上隼輔選手です。」生徒③「戸上選手です。」(戸上選手)「第2の実家だと思っていて、学校終わりすぐに卓球道場に帰ってという日常を送っていました。」
戸上選手を生み出した松生卓球道場。オリンピアンを育て上げる秘密を探っていきます!
この場所でエースとして活躍し、日本一を目指しているのが松生悠飛くん、小学6年生。
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学校が終わってすぐに道場にやってきた悠飛くんですが、始めたのは卓球の練習ではなく…学校の宿題!
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Q.毎日こんな感じなの?松生悠飛くん「はい、まず宿題からです。卓球をやる前にまず面倒くさいのを先に終わらせとくっていう。」
実は、この卓球道場に通う生徒たちは、宿題や自分の勉強を終えてからでないと卓球の練習をさせてもらえないのです。

(松生幸一館長)「やっぱり卓球だけですとちょっと人間として総合力にかけてしまう。当然文武両道を目指して頑張ってもらっています。
そして世界で戦う力を育てる秘密の一つが道場ならではの練習方法。これは生徒たちを3人ずつのグループに分けてそれぞれ自由に練習内容を決めさせる“課題時間”。この時コーチは生徒たちの練習には口を出さずに見守ります。ボール出しをするのももちろん生徒。
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(松尾幸一館長)「強化したいところや弱点を自分たちで考えて自分たちで練習する。自分で考えることを学べるというか、言われたことだけをするのでは言われたことしかできないので。」“自分で考えて練習をする”それが世界で戦う力を身に着ける一番の近道。戸上選手が道場に通っていたころにはこんなエピソードも…。(戸上選手の恩師 松生瞬さん)「フォアドライブが納得いかないと言い始めた時があって、夜12時ぐらいまで練習に付き合ったことがある。結局明日も頑張るといって帰った。」松生卓球道場のエースとして日々、卓球と勉強に励んでいる悠飛くん。練習の様子をよーく観察していると一つ気になる点が…。宿題をやっていたときはたしか、右手で文字を書いていたハズ!実は悠飛くん、もともとの利き手は右だったのですが祖父で館長でもある幸一さんの提案で左利きに変更したのです。(松生館長)「左利きは理想的と考えていましたし、卓球は“回転”のスポーツですから自分の技術にしてしまえば、アドバンテージを取れて有利に働く。」ボールの回転がすべて右利きの選手と逆になるため数の少ない左利きの選手は、それだけで有利なのだとか。
(松生悠飛くん)「難しかったですけど、これからずっと左ならやっていく価値がある。教えてもらったり一から取り組んでそこから今につながっています。」悠飛くんの強みはそれだけではありません。卓球界では現在、シェークハンドと呼ばれる握手をするような持ち方が主流なのですが、悠飛くんはペンホルダーというより回転のかかり易い持ち方をしています。
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(松生幸一館長)「ペンホルダーの球はシェークハンドと少し違う。極端に曲がるというかペンホルダーは手首を使うのでもっと曲がる角度が激しい。左利きでペンホルダーはあまりいないのでユニークな卓球スタイル。」
左利きかつペンホルダーで戦う悠飛くんの最大の武器はサーブ。大きく横に曲がるサーブを打ったかと思えば…威力重視のロングサーブを繰り出したり。そしてネットへ戻るほどの強力な回転がかかったバックスピンサーブも!先月行われた、13歳以下の日本一を決める全日本カデットの三重県予選。準優勝以上で11月に行われる全国大会へと進めます。年上の中学生もまざる中、悠飛くんは左から繰り出す強力なサーブを武器に次々と勝ち進んでいきます。惜しくも優勝は逃したものの準優勝で、見事、三重県代表の座を射止めました。(松生悠飛くん)「(将来は)日本一を経験してみたいですし、世界で活躍できる選手になっていきたい。」
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文武両道を掲げ、子どもたち一人一人に卓球選手として勝ち抜く術を教えて成長を見守る松生卓球道場。戸上選手に続く未来のオリンピアン誕生に期待です。