市船橋高バレー部元顧問、部員に暴行で減給処分 「未熟なためカッとなってしまった」 31日付で定年退職

練習中に部員の髪をわしづかみにして引きずり、ボールを顔に投げつけるなどの暴行容疑で県警に逮捕された船橋市立船橋高校の男子バレーボール部の元顧問の石井利広教諭(60)について、船橋市教委は29日、減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にした。同様の暴力行為を複数の部員が受けていたことも確認した。逮捕後に顧問から外した。
市教委によると、石井教諭は聞き取りに対し、暴行を認め「度を越した行為で、許されることではない。感情を抑えなければと思っていたが、自分が未熟なためカッとなってしまった。生徒や保護者に謝罪したい」と話したという。
一方で、石井教諭が他の同部員4~5人に対し、体育館や遠征先などでボールをぶつける、髪をつかむ、胸を突くといった行為をしていたことも、市教委が確認した。別に2人いた若手の顧問教員らが目撃していたが、指導の中心だった石井教諭との年齢差などから「制止できなかった」と市教委に説明したという。
石井教諭は「食ってかかってくるぐらいの気持ちを選手から引き出したかった」とも釈明したが、市教委は「あるまじき行為」との認識。上半身裸でのレシーブ練習も命じていたという。
石井教諭は昨年11月の体育館での暴行容疑で今年2月、船橋署に逮捕された。送検後に釈放され、在宅捜査が続いている。刑事処分はまだ出ていない。
石井教諭は3月31日付で定年退職する。刑事処分が決まっていないため、退職金の支払いは保留となる。
同部は3月25日に活動を再開。若手の顧問2人が教頭ら立ち会いのもとで、部員や保護者の意見を十分聞きながら指導に当たるとした。