開始から3週間 “父親”の利用多く…市役所が試験的に始めた職員の『子連れ出勤』職場が和むメリットも

子育てを応援するために、愛知県の豊明市役所が職員の「子連れ出勤」を試験的に始めてから3週間が経ちました。これまでのところ男性の方が利用が多いということですが、利用した職員や職場の反応を取材しました。 愛知県の豊明市役所。企画政策課に勤める野村和義さん(39)は28日、初めて小学3年生の長男、5歳の次男、3歳の長女の3人を連れて出勤しました。
豊明市役所が3月6日から試験的に始めた子連れ出勤「ワークwithチャイルド」、略して「ワチャ」。職場に同行できるのは0歳から小学3年生までで、人数制限はありません。 28日時点で女性職員7人、男性職員9人が利用していて、男性の方が利用者が多いそうです。野村さん:「お道具箱で、色鉛筆とか折り紙とかシールとか、好きなように工作してもらえるようにと思って。これは塗り絵ですね」
子供の大量の遊び道具を持って出勤した野村さん親子。野村さんが仕事に集中している間、横の机では、子供3人が静かに折り紙を折ったり、シールを貼っていました。
同じ部署の後輩に聞きました。後輩職員:「かわいいですね。思ったよりもおとなしく遊んでいて、特に気にならないです」 しかし、1時間ほど経つと…。3歳の長女:「もう飽きた」野村さん:「最初は結構おとなしくしていましたけど、だんだん慣れてくると動き回るようになりましたね」
妻もフルタイムで仕事しているという野村さん。子連れ出勤を利用した感想を聞きました。

野村さん:「選択肢が増えるのはいいかなと思います。学校とか学童とか保育園に行けない時とか、預け先がない時が出てくることもありますので、休めれば有休を使って休むのがいいかなと思うんですけど、どうしても外せない仕事があった時に、職場に連れて来て自分の仕事をしながら子供の面倒を見られるのは、選択肢としてすごくメリットあるなと思います」小学3年生の長男:「(Q.お父さんが仕事する姿は?)なんかしっかりしてた」 都市計画課では、職員の子供たちが手伝いをしていました。
子連れ出勤2日目の伊藤さん:「(妻は仕事を)していないんですけども、日ごろ子供を見ながらの家事なので、少しでも自分の時間を作ってくれたらなと思って活用しました」 この日、2日目の子連れ出勤だという伊藤信司さん(42)。専業主婦の妻の負担を軽くするため、春休み中の8歳の娘を連れて来ました。
娘:「課長とか部長にも会ったことなかった。だけど昨日と今日来て、はじめてみんなと仲良くなれた」 都市計画課のカウンターの上に段ボール工作があったので、娘に尋ねました。娘:「私とお父ちゃんで手を組んで作った。SDGsの目標11の『住み続けられるまちづくり』の目標で。街があって、ここ私の家なんだよ」
都市計画課の仕事内容をイメージした作品で、職場のシンボルになりました。 子連れ出勤の取り組みには手応えに感じていました。豊明市子育て支援課の課長:「周囲に迷惑をかけるんじゃないかとか、市民の方に迷惑をかけるんじゃないかといった心配があったんですけれども、受け入れる職員の方もお子さんが来ることで場が和んだりとか、そういったことも感じているようでしたので。やっぱり子供は地域全体で見守ったり育てていくことが子供にとっても幸せだよね、親御さんたちも応援したいよねという空気になっていくといいなと思っています」 豊明市役所の子連れ出勤は4月7日まで試験的に実施し、その後本格導入を目指すとしています。