【沖縄】沖縄こどもの国が70年ぶりに復活させた琉球競馬「ンマハラシー」の第18回が22日、同施設であった。在来の与那国馬を含む17頭が出場し、約50メートルを往復。那覇市首里の伝統的な競技方法にのっとり、スピードだけでなく「側対歩(そくたいほ)」といわれる足運びの美しさや騎手との一体感を競った。審査員に当たる「ンマスーブカシラ」4人と来場者が紅白の旗を掲げて勝敗を決めた。(中部報道部・平島夏実)
勝負は一対一のトーナメント方式。審判による試合開始の合図はなく、騎手が互いに目配せし、馬と呼吸を合わせて始めた。1位は、走りながら「ヒヒーン」といなないて会場を沸かせた「ホースガーデンちゅらん」所属のシナモン(騎手・デスティニー・デサーマーさん)、2位は沖縄こどもの国所属のなびぃ(騎手・渡邊百優さん)、3位は沖縄こどもの国所属のなぐに(騎手・上江洲かなさん)だった。勝ち馬を当てた来場者には、与那国馬のふんを原料に作った紙のお守り「ンマもり」が贈られた。
ンマハラシーは地域によってンマスーブ、ンマズリィなどと呼ばれた。全力疾走して速さを競った地域もあったが、片側の手足が同時に出る「側対歩」の美しさも審査基準。
県内には、会場となった馬場が離島を含め200以上あったという。琉球王朝時代から約300年間続いたが、馬が軍馬として徴用された影響などで減っていった。本島では1943年、那覇市首里の平良真地(てぃーらまーじ)で開催されたのを最後に途絶えたとされる。
こどもの国は在来馬の飼育に力を入れ、ンマハラシーを2013年に復活させた。競技では、足運びが乱れたり、首を曲げたり、真っすぐ進まなかったりした場合に減点対象とした。騎手は、武将のよろいをイメージした衣装やかすり模様の着物姿で臨んだ。審査員は「一定のリズムを保てたのが良かったですね」「両方とも100点満点の走り。最終的にスピードで判断しました」などとコメントした。
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決勝戦でそろって白旗を上げる審査員
準優勝した「沖縄こどもの国」所属のなびぃ=22日、沖縄市・沖縄こどもの国