「不条理劇だが基本的には笑える喜劇」 田原雅之と犬養憲子の2人芝居「トイレはこちら」 那覇で10月26日から3日間

俳優の田原雅之と犬養憲子が、別役実作の演劇「トイレはこちら」を那覇市安里の「アトリエ Theater TEN」で上演する。2人での初演は2001年で、今回で4回目の公演となる。年齢が30代から50代になった2人は演技の解釈を深め「不条理劇だが、基本的には笑える喜劇だ」と“楽しい演劇”を目指している。演出は田原。
ある女(犬養)が、電柱とベンチのある場所にやって来て、なにやら厳かな儀式を始める。そこに現れた男(田原)は辺りを気にしながらベンチに座っていいかと女に尋ねる-。一風変わった女と男がかみ合わない会話を続ける不条理劇だ。
田原は「台本を読み直したが、不条理劇は俳優や演出家がどこまでかみ砕けるかに懸かっていると改めて思った」と話す。難しいと思われがちな不条理劇だが、作者が笑わせようと思って書いているだろうと思える場面がいくつも見つかったという。「喜劇を楽しんでほしい」と考えている。
笑いを大切にする基本は犬養も同じだ。一方で、犬養は現実の世界の方が筋道の通らない不条理に近づいていると感じている。「この劇の登場人物は真っすぐで、いとおしくもある」と話した。
公演の開演日時は26日午後6時、27日午後2時、28日午後7時半。入場料は前売り一般3千円。問い合わせは「Theater TEN Company」(知花)、電話090(9787)8820。(社会部・真栄里泰球)