男性の育児休業取得… “遠慮がやわらぐ”取り組みとは?愛知の自動車部品メーカー「アイシン」

未だ低い男性の育休取得率を引き上げるため、4月から従業員数が1000人を超える大企業は、男性の育児休業取得率の公表が義務づけられます。この地方を代表する企業の状況を取材しました。
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愛知県刈谷市に本社を構える自動車部品メーカー大手の「アイシン」。従業員数はおよそ3万6千人、そのうち男性が88.6パーセントと大半を占めていますが、男性の育児休業取得に対する取り組みを伺うと…。
(アイシン人事担当峰千翔さん)「男性育休100パーセント宣言を社長自らしていて、育児を目的とした独自の休暇制度を設けている」そして、4月1日からの情報開示の義務付けについては…(アイシン人事担当峰千翔さん)「以前から情報開示には積極的に取り組んでいるので、4月1日から変わるということはない」
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アイシンでは2020年に妻の出産時か、自分の育休復帰後に使える5日間の特別休暇を導入、以来その取得率は100パーセントです。
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この特別休暇を導入したことが呼び水となり、男性社員が感じていた育休取得への「遠慮」がやわらいだようで、導入後の取得率は、8.7%から17.2%にまで上がっています。
アイシンでは家庭の事情に合わせて、数日から数か月の期間で育休を取得する男性社員が増えてきているといいます。そして、会社側が期待しているのは育休明けの男性社員のモチベーションアップなどです。
(アイシン人事担当峰千翔さん)「育児参画の経験を元に、新しい価値観や視点を仕事にも生かしてほしい」

男性の育休取得を推進しているのは大企業に限りません。
名古屋市中川区にあるオフィス用家具の製造メーカー「アルプススチール」。従業員およそ170人の中小企業です。
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(アルプススチール 長谷川茂社長)「対象者が約10人いまして、10人とも育児休業を取りました」「アルプススチール」では、この10年で子どもが生まれた男性社員は、全員が1週間から2週間程、育休を取得。このため名古屋市の「子育て支援企業」にも認定されています。
(アルプススチール 長谷川茂社長)「会社としては若い従業員に対し、家庭を大事にしなさいと対象者に話しかけています」これまで、社長自ら対象の社員と面談するなどして、育休取得を促してきたといいます。そのために会社として取り組んできたことには…。
(アルプススチール 長谷川茂社長)「こちらの仕事も、あちらの仕事もできるような1人2役、3役できる体制作りを進めてきました」
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社員同士で仕事をカバーしあえる体制を構築し、休みを取りやすい環境作りを進めてきたのです。
こうしたことを受けて社員の皆さんは…(アルプススチール 育休取得者)「上の子に1週間、下の子に1週間取った。(下の子が生まれたときは)上の子と2人きりで日々体験することのないようなことを体験させてもらい、良い経験になりました」
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「先輩も取っている実績があるし、それによって会社として取りやすい雰囲気があるのですごくありがたい」
4月から、従業員数が1000を超える企業の、男性育休取得率の公表が義務付けられますが、中小企業の立場で長谷川社長は…。(アルプススチール 長谷川茂社長)「わたしたちは取得率100%と言っていますが、男性は1週間から2週間程度と最低限。それが1か月2か月になっていくといいと考えている」まだ道半ば。育休取得に関する環境整備は、会社の競争力を高める大事な要素になっています。