山寺宏一「商業利用はもってのほか」 人気声優らが無断生成AIに意見を述べる

2024年10月15日、26人の声優が無断生成AIを訴えた『NOMORE無断生成AI』啓発動画が、ネット上で話題となりました。
予告編として解禁された映像には、26人の声優が集まって、「NOMORE 無断生成 AI」と唱和しています。
中尾隆聖、山寺宏一ら声優26人が無断生成AIに訴え 「気持ちのいいものではない」
同月21日、本編の第1弾が公開。
山寺宏一さん、坂本千夏さん、かないみかさん、関俊彦さん、くじらさん、中尾隆聖さんが、それぞれ無断生成AIについて感じていることを述べています。
「無断生成AIによって収益を得ている人がいることをどう思いますか」と質問された、山寺さん。
幼少期から声に対して興味のあった山寺さんは、「生成AIでいろいろなことができると分かったら、楽しいと思うんです」と述べた上で、このように訴えました。
誰か、個人で楽しむぶんには、それはね、全然いいんじゃないかと僕は思っています。
いろんな可能性があるし。いろんな使い方を自分で試してみるってことで、そういうものはいいと思うんですが。
それを、商業利用ってのは、もうもってのほか。これは、とんでもないことだと思いますし。
もし収益が上がらないようなものであっても、公にSNSなどでネットの世界に出してしまうっていうことは問題だと思いますね。
『NOMORE無断生成AI』vol.1 ーより引用
ジブリ映画『となりのトトロ』でメイ役を演じた坂本さんは、「そう遠くない未来に理想的なキャラクターを作って、それにぴったりな声を作れるのだろうと思います。そうなった時に、私たちはもうお払い箱ですよね」と声優の仕事がなくなることを危惧していました。
アニメ『それいけ!アンパンマン(以下、アンパンマン)』(日本テレビ系)でメロンパンナ役を演じている、かないさんは自身の無断生成AIの声を聞いて「めっちゃカタコト。私もうちょっと喋れるんですよ」とクオリティを指摘。
そして、「残念ながらAIは心がない」と、人間が演じるからこそ、声に命が吹き込まれることを強調しました。
『アンパンマン』のばいきんまん役や、アニメ『ドラゴンボール』(フジテレビ系)のフリーザ役を演じている、中尾さんは「AIとともに戦っていかないといけない」といいます。
その上で『アンパンマン』の原作者である、やなせたかしさんが「子供たちには本物を見せてあげてください」といっていたことを思い出し、「『本物』、難しいですね。みなさんはどうお考えになりますか」と投げかけました。
今回、無断生成AIに声を上げた、声優有志の会は、動画を作った意図や無断生成AIとは何かについてをまとめた内容を、ウェブサイトに掲載。
SNSアイコンで意思表示に使える『NOMORE無断生成AI』のロゴをデザインした枠も配布するといいます。
啓発動画をきっかけに、改めて無断生成AIについて考えたいですね。
[文・構成/grape編集部]