「人は森がなければ生きていけない…」坂本龍一さん 11年前に岐阜の豊かな森を訪ねる 地域の人たちの心に刻まれた言葉

世界的な音楽家、坂本龍一さんが71歳で亡くなりました。直腸がんを患い闘病中でした。森林の保全活動にも力を注いでいた坂本さん。死を悼む声がこの地方でも。
今から11年前、坂本龍一さんは、岐阜県中津川市の加子母(かしも)地区の森を訪れ、視察しました。自身が代表を務める森林保全団体「moreTrees(モアトゥリーズ)」が、岐阜県と、森づくりに関する連携協定を結ぶことになり、調印に先立って、森を訪れたのです。
「人は森がなければ生きていけない…」坂本龍一さん 11年前に…の画像はこちら >>
(坂本龍一さん 岐阜県中津川市 2012年)「自然を単なる資源の対象として見るのではなくて、自然を守ることが人間の経済活動にもプラスになっていく」
CBC
県と共に協定を結んだ加子母森林組合の当時の組合長は、坂本さんにとって森林の保全活動は音楽活動と密接に結びついていたと振り返ります。
(加子母林材振興会 内木篤志会長)「『森林に集音器、マイクなどを置いて、鳥の声を自宅で聴ける環境作りをしていきたい』と…『自然の音というのは、全て自分にとって音楽を作るための材料になる』と(話していた)」
CBC
CBC
一方、東白川村の森林組合の職員は当時、坂本さんと交わした会話の内容が印象的だったと話します。(東白川村森林組合 大崎正秀業務課長)「山や樹の話をし始めたら、それまでの雰囲気とは変わって…『人は森がなければ生きていけない』と語っておられた言葉が心に響きました」
CBC
そして岐阜県の古田肇知事は、坂本さんにとって岐阜県の森との出会いは何より特別だったと明かしました。
(岐阜県 古田肇知事)「『今はニューヨークで活動していますが、終の棲家を日本でどこか選ぶ時期が来るかもしれない。その時には岐阜の加子母や東白川地域を自分にとって重要な候補地として考えたい』と」