新しく入社した社員が必要なスキルを学び、スムースに業務をこなせるようにするための『新人教育』。
新人社員は、職場の業務に慣れて、組織の一員として、仕事に取り組むことが求められます。
一方で、新人を教育する上司は、知恵を伝授するだけではなく、新人がしっかりと成長できるようにサポートし、意欲を向上させる必要があるでしょう。
2024年10月、Xに投稿されたエピソードが議論を呼びました。
投稿者がつづったのは、上司が新人社員を教育していた時のこと。上司は新人社員に対して、こんな言葉を発したといいます。
「1回、教えたよね?」
※写真はイメージ
新人社員は、手順通りに業務をこなせなかったのか、上司が「以前にも同じことを教えたよね?」といういい方で指導していたそうです。
その様子を見ていた投稿者は、上司のいい方に嫌悪感を覚え、「1回ですべてを覚えられるわけがない」「こういう人は、他人の指導に向いていない『新人潰し』だ」と思ったとか。
新人社員の教育において、言葉の選び方は非常に重要です。
新人社員のモチベーションが下がらないように、適切な言葉で指導することで、積極的に学ぶ姿勢を引き出すことができるでしょう。
今回のエピソードを受けて、ネット上ではさまざまな意見が上がっています。
【上司の発言に肯定的な意見】
・いわれたことを返事だけして、また1からやり方を聞いてきたり、教えたことを1つも覚えていなかったりすると、「1回、教えたよね?」といいたくなる。覚えようという気持ちが感じられるかどうかだな。
・最近は、1回どころか5回いっても分からない人がいる。そういう人に、何回も同じことを説明するのは、精神的にキツイものがある。
・覚えようという努力を感じない人もいるよね。そういう人には、こちらからはっきりと不快感を示して、プレッシャーをかけないと、いつまでも変わらないと思う。
【上司の発言に否定的な意見】
・教育も仕事なので、覚えが悪いからといって、そのいい方はダメだよ。教育は共を育むことなので、教える側にも気付きなどがある。何度か教えても分からないなら、教え方を変えて、向き合うことが大切。
・私が新人に指導する時には、「分からないことは都度質問しろ」というけどな。大切なのは、新人がしっかりと仕事を覚えることで、それは職場の戦力アップ、ひいては自分が仕事をしやすくなる環境に繋がる。
・新人にわざわざいうことではないよね。そもそもその発言に生産性はない。私なら前回の説明と角度を変えて、もう一度教える。腑に落ちて響く説明って、人によっていろいろあるからね。
入社したばかりの人は、多くの新しい情報を短期間で学ぶ必要があります。覚えることが多すぎて、頭の中で整理しきれず、忘れてしまうことは珍しくありません。
そのような状況で、「1回教えたよね?」といういわれ方をすると、不快に思う人もいるでしょう。
しかし、新人社員には、決められた期間で、仕事を覚えてもらわないといけないため、焦りを感じながら教育している上司が多いのも、また事実です。
とはいえ、新人社員にプレッシャーをかけるいい方は、新人社員の焦りを悪化させる可能性があるため、いい方を変えるのがいいかもしれません。
例えば、「ここ、少し難しかったかな?もう一度確認しておこうね」といういい方なら、相手に安心感を与えつつ、再確認を促すことができるでしょう。また、メモを取るなどの具体的な対策を提案するのも手といえます。
※写真はイメージ
先述したように、新人教育の目的は、新人社員が業務に必要なスキルを身に付け、組織の一員として、問題なく業務を進められる人材に育てること。
早く仕事を覚えてもらうための教育と、配慮したいい回しのバランスは難しいですが、新人社員が安心して働ける雰囲気を作ることが大切でしょう。
[文・構成/grape編集部]