最高裁裁判官の国民審査で「×」 沖縄が最高17.60% 全国平均10.46%大きく上回る 罷免率最高の19.52%宮川氏が関わった沖縄関係裁判は

27日投開票の衆院選と同時に実施された最高裁裁判官の国民審査は、対象となった6人全員が信任された。沖縄は罷免を求めて×を付けた割合(平均罷免率)が17・60%と全国の10・46%を大きく上回り、都道府県別で最も高かった。6人のうち、辺野古新基地の訴訟で県側に不利な判断をした宮川美津子氏が罷免率19・52%でトップだった。
日本復帰以降、沖縄の有権者が参加したのは18回目。平均罷免率は毎回、全国を上回ってきた。今回の17・60%は2003年以降で最も高かった。大宜味村では対象となった全6人が、罷免の要件である50%超えとなった。
国民審査を研究する明治大の西川伸一教授は「沖縄は罷免率が高い上、宮川氏がトップになったように人をよく見て×を付けている。罷免されなくても、『国民に見られている』と裁判官に伝わることは大きな意義がある」と語る。
沖縄は投票用紙に×以外を書く無効投票率も毎回高いのが特徴。今回は全国の2・43%に対して6・36%だった。何も書かずに投票箱に入れれば信任票となる仕組みで、西川教授は「何かを書かずにはいられない沖縄の怒りの表れではないか」と分析する。
全国の平均罷免率も10・46%で、2桁に達するのは1990年以来34年ぶりとなった。交流サイト(SNS)で×を付ける呼びかけが広がるようになり、関心が高まっているようだ。
一方、最高裁のサイトには国民審査の情報が全くなく、審査公報も裁判官自身が書くため都合が悪いことは載りにくい。西川教授は「最高裁は寝た子を起こしてほしくないと思っている。メディアの積極的な情報提供と、有権者の情報収集が必要だ」と指摘した。
(編集委員・阿部岳)最高裁裁判官の国民審査で「×」 沖縄が最高17.60% 全国…の画像はこちら >>

平均罷免率の推移