渋谷に青い救急車が出現! 誰が何のために作ったクルマ?

渋谷ストリーム前の広場に青い救急車が出現した! 救急車は白いボディに赤色灯が一般的だが、こちらの青い車両はどんな経緯で作られたのか? 作り手の狙いとは? 車両を制作したベルリングに話を聞いた。

○青なら誰でも認識しやすい?

ベルリングはDMM.comの子会社で、消防車や救急車の制作・販売を手掛けている。今回発表した「青い救急車」は「緊急車両への優先意識向上を啓発するコンセプトカー」だという。

なぜ青い救急車を開発したのか。背景には、救急車の現場到着時間が長くなってきているという社会問題がある。

ベルリングは現場到着時間の短縮などを狙って2020年に新型救急車「C-CABIN」を開発。赤色灯の発光範囲を広げたり、サイレンの音がより広範囲に聞こえたりするような工夫を盛り込み課題解決を目指しているが、ある現場の救急隊員から「人によっては濃い赤色は非常に暗い色に感じるため、赤色灯自体を視認しづらい方もいる」との声が届いたことから、色弱の人でも暗く感じにくい青色をベースカラーとし、目立つデザインの救急車を開発した。

誰でも認識しやすく目立つ救急車であれば気づかれやすい。気づいてもらえれば優先してもらえて、現場到着までの時間も短くなる。ベルリングは世の中の全ての救急車を青に置き換えていきたいわけではないそうだが、「白ボディに赤色灯が当たり前」という常識を変えられればという思いで今回の車両を制作したのだという。

緊急車両としての救急車は現状、法令で車体色が白と指定されている。なのでベルリングが消防庁に青い救急車を売り込むことは難しいようだが、まずは民間用の救急車としての導入を目指していくという。民間の救急車はコロナ禍もあって需要が増えているとのこと。病院が保有する救急車も民間の車両に含まれる。

白ボディに赤色灯の救急車は年間700台くらい生産されており、その9割をトヨタ自動車、残りを日産自動車が作っているという状況。ベルリングはこの市場に新規参入を果たし、昨年は40台を販売した。法令が変わって、緊急車両としての救急車が青ボディでもOKということになれば青い救急車の普及も進みそうだが、その可能性はあるのだろうか。ベルリング代表取締役CEOの飯野塁さんは「キャンペーンを続けていけば、思いが届くかも」と期待を示していた。