千葉市都市文化賞 グランプリにカフェ円居(若葉区) 庭と建築融合、心地よい空間 運営会社「人々が集いにぎわう場に」

良好な街の景観形成に貢献する建築物や活動などを表彰する「千葉市都市文化賞」で、本年度の受賞作品が決まり、若葉区の造園会社「季織苑」が運営する「Caf madoi(カフェ円居)」(同区)がグランプリに選ばれた。カフェ空間にこだわった庭を併設し、週末などは飲食店がキッチンを間借りし料理を提供。庭と建築が融合し、人々が集まる場になっている点が評価された。
同文化賞は「景観まちづくり」「景観広告」「建築文化」の3部門があり、グランプリは部門の枠を超え総合的に優れていると判断された建築物などに与えられる。本年度は3部門計45件の応募があった。
カフェ円居は、同社の代表、時松克史さん(53)が「地元の人々が集いにぎわう場にしたい」と2020年にオープン。季織苑本社にカフェ空間と庭を併設した。
同カフェに常駐する店員はおらず、来店者が自動販売機型のコーヒーマシンで自らコーヒーなどを入れる「セルフカフェ」システムを採用した。週末などは、市内外の飲食店がキッチンを間借りし料理を提供するシェアキッチンを開催。カフェのほか、時間貸しの部屋も3室あり、コワーキングスペースなどとして人気という。
造園会社のノウハウを生かし庭にもこだわった。約100種類の木や草花を植え、季節ごとに異なった風景を楽しめる。時松さんは「隣接する道路との間には柵などを設けず、庭を活用して自然に空間を分けた。訪れた人が庭や植物に興味を持ってもらえるとうれしい」と話した。
審査では、庭と建築がうまく融合し街の人々へ心地よい空間を提供している点、街の人々が集える場になっている点などが高く評価された。時松さんは「(受賞は)うれしい限り。来店者の方のアイデア次第でいろいろ活用できると思う。まちの皆さんがつながる場となっているので、ぜひ多くの方に足を運んで楽しんでもらいたい」と期待した。