ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」

ミツオカがコンセプトカーとして打ち出していたセダン「M55」がついに発売されました。そのデザインは「アメ車風」ではなく、「アメ車のオマージュがあちこちに見られた元気な頃の日本」風だそう。ある意味、究極の1台になりました。
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツ…の画像はこちら >>ミツオカ「M55」(乗りものニュース編集部撮影)。
光岡自動車は2024年11月21日、新型車「M55(エムダブルファイブ」を都内で発表。22日から申込受付を開始します。 「M55」は、2023年11月に創業55周年記念コンセプトモデルとして公開した「M55 CONCEPT」の市販版。当時は市販化の予定はないとしていましたが、市販を望む熱烈な声を受け、ベース車の調達めども立ったことから、2025年生産分を「Zero Edition」として限定100台で抽選販売することになりました。
ベースはホンダの現行「シビック」です。ミツオカお得意の架装で、往年のアメ車を思わせるようなフロントグリルに丸目4灯のヘッドランプ、存在感抜群の専用リアガラスルーバーなどを備えます。1500ccのガソリン、6MT、グレーメタリックの1グレードのみが用意されます。
ミツオカは2021年に発売したRAV4ベースのアメ車風SUV「バディ」が大ヒット。執行役員の渡部 稔さんは、その生産に追われるなかで、ミツオカと同世代のユーザーは、「SUVではないワクワクを望んでいる」として、次の企画をセダンで考えたといいます。ターゲットはまさに、1970年代に子ども時代を過ごした、ミツオカと同じ「55歳ころの人」です。
では、「M55」は何をイメージしてデザインされたのでしょうか。
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シビックの特徴的なインパネを、さらにカーボン調パーツで加飾(乗りものニュース編集部撮影)。
インテリアをデザインした青木孝憲さんからは、小さいころにお父さんが乗っていたという「ハコスカ」の名前や、「往年のGTカーのような」といった発言こそありましたが、エクステリアデザインを担当した渡辺清和さんは、「何かを真似してデザインしたわけではありません」と話します。 「『何をベースに?』という質問が一番困るんです。小さい頃の記憶を凝縮してデザインしました。記憶の美化ですね」(渡辺さん)
高度成長期の余波が残り、日本が元気だったという1970年代は、「日本のあちこちにアメ車のオマージュが見られるクルマが走っていた」(渡部さん)といいます。そうした「1970年代っぽさ」を最大限に美化して1台に凝縮したクルマといえそうです。
なお、今回のZero Editionが1グレード・1カラーのみなのは、ベース車のシビックを「あらかじめ新車登録をする」という条件で、同じモデルを100台調達したからです。このため、新車ではあるものの2024年度に登録されており、2025年にユーザーのもとへ届く際には、2年車検の状態になるとのこと。
抽選へのエントリーはミツオカディーラーへの来店のみで受け付け、55万円の申込金を納入したうえで完了となります(抽選から外れたら返金)。その抽選受付も350名までで打ち切るといいます。
2026年以降の納入モデルには、CVTやe:HEVモデルも検討するといいますが、販売企画課の笠原勝義課長によると、そうしたベース車を何台調達できるかがカギになるとのこと。しかもシビックは先頃のマイナーチェンジでMT車がRSグレードのみとなり、それが人気を博しているということで、MTモデルを追加調達できるかは不透明、との見方を示しました。
「M55」Zero Edition税込み価格は、808万5000円です。