奥西勝元死刑囚の「死刑執行上申書」不開示決定取り消しを求めて提訴 名張毒ぶどう酒事件の再審請求弁護団

62年前に三重県名張市で起きた「名張毒ぶどう酒事件」で、病死した奥西勝元死刑囚に関する「死刑執行上申書」を国が開示しないのは違法だとして、再審を求めている弁護団が、不開示決定の取り消しを求めて提訴したことを明らかにしました。
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「名張毒ぶどう酒事件」は1961年に三重県名張市で、ぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡し、死刑判決が確定し、8年前に病死した奥西勝元死刑囚の遺族が、裁判のやり直し=再審を求めています。
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12日、再審請求を行う弁護団が会見を開き、名古屋高等検察庁が法務大臣に提出した「奥西元死刑囚に関する死刑執行上申書」を開示しないのは違法だとして名古屋地裁に提訴したと明らかにしました。提訴は2022年12月28日付で、訴状などによりますと、弁護団のメンバーが2021年5月に開示請求しましたが、法務省は「公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼす恐れがある」として、開示しない決定を下しました。この決定に対し、原告側は、奥西元死刑囚が8年前にすでに死亡していて、逃亡や自殺の恐れはなく、国民の知る権利を侵害していて「違法」だと主張しています。
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12日、名古屋市内で会見した再審請求弁護団の見田村勇磨弁護士は、「請求があれば開示するのが情報公開法の原則」とした上で、「文書の開示によって奥西元死刑囚が無罪である何らかの証拠を獲得したい」と述べました。