今回は駿河湾の中深海釣りを紹介します。釣りを通じて仲良くなった2人の女性を連れだって大井川港から大海原へ。日本一高い富士山を眺めながら日本一深い海の釣りを楽しめるのが、駿河湾の魅力です。女子3人組が船上でワイワイ言いながら「中深海の宝石」と言われるアカムツ狙いに挑戦しました。
なじみの船で、4時間ほど駿河湾を“散歩”。一緒に行くのは私の釣り教室をきっかけにどハマりした友人。まだ初めて1年ちょっとですが、メキメキと腕を上げ、中深海釣りにも挑戦し始めたところです。もう1人の女性は山梨から頻繁に静岡へ遊びにくる方。私の周りにはアグレッシブな女性が多いです。「類は友を呼ぶ」のでしょうか。
大井川港から30分ほど。ポイントは200~250メートルの深さがあります。港から出てすぐに深くなる湾内には、豊富な種類の魚たちが生息。中深海とは明確な定義はありませんが、150~300メートル程の深さを示す事が多いです。
今回のメインターゲットはアカムツ。ノドグロの方が呼び名的には有名かもしれません。ノドグロの由来は、口を開けると真っ黒いことからその名が付いたようですが、深海魚は口や体内が黒い膜で覆われていることが多いです。諸説ありますが、深海に住む魚は発光器を持つことが多く、それを食した時に口や胃袋の中で光ってしまうと他の魚に狙われやすくなるため、それを防いでいるとのことです。
アカムツの仕掛けは胴付きのもので、一番下にオモリをぶら下げ、枝のように30センチ程ラインを付けた針を等間隔に何本も付けます。今回は扱いやすくするため、少なめの針3本にしました。この針に長めにエサとして切ったカツオのハラモを付けます。
260メートル程のポイントで釣り開始。オモリが海底に落ちるまで待ちます。底は泥でオモリが突き刺さるのがサオを持つと分かります。下に到達すると、少しリールを巻いて仕掛けを浮かせます。船が進んでいるので深さは刻一刻と変わります。ただ眺めているだけでなく、こまめに底を取り直すのがポイント。仕掛けを動かすことで魚にはアピールになります。この日はガツガツとしたアタリが少なく、エサの端っこをかじられることがしばしば。それでも、底を取り直しているとユメカサゴ、オオメハタ(シロムツ)、クロムツなど多彩な魚が釣り上がってくるのが面白いです!
少しポイントを移動して再投入。先程よりも強いアタリを感じ、サオを上にあおってアワセを入れ、中速くらいで糸を巻き上げていきます。200メートル以上から巻き上げてくるので3~4分ほどかかりますが、この間、魚が暴れてるのがサオを通じて伝わってきます。途中で外れないかヒヤヒヤしながらも40センチ級のアカムツをゲット。短時間ですが、3尾のアカムツを釣り上げることに成功しました!
しっかり血抜きをして持ち帰ります。一緒に行った仲間たちとも楽しめたので、短時間釣行でしたが、大満足でした。(三浦 愛)
半あぶりアカムツとワサビの花のサラダ
▽材料 アカムツ(30センチ程)半身、ワサビの花3本(太い茎は使わない)、ミニトマト4個、レモン1/8個、塩昆布ひとつまみ、オリーブオイル大さじ1、こしょう適量
▽作り方
〈1〉アカムツは三枚おろしにし、骨を抜きお刺し身程の大きさに切る。皮目をバーナーであぶっておく。
〈2〉ワサビの花は適度な大きさに切る。
〈3〉ミニトマトは半分に切る。レモンは薄く切る。
〈4〉切った材料をボウルに入れ、オリーブオイル、塩昆布、こしょうで味を調えて完成。