4年に一度行われる統一地方選の後半戦(23日投開票)や衆院補選に向けて各党が選挙活動を加速させるなか、衝撃的な事件が起こった。
4月15日、岸田文雄首相が和歌山1区補欠選の応援演説のため訪れていた和歌山県・雑賀崎漁港で爆発物が投げ込まれたのだ。
演説直前の午前11時25分頃、男が銀色の発煙筒を岸田首相に向かって投げ込み、すぐにその場にいた一般人や警察官らが取り押さえる。その後、大きな爆発音が鳴り、白い煙があがっていた。幸い、岸田首相をはじめ、聴衆らにけが人は出なかったという。
各メディアによると、逮捕された男は兵庫県在住の木村隆二容疑者(24)。警察の取り調べに対して黙秘しているという。
選挙期間中の襲撃事件といえば、昨年7月にも安倍晋三元首相の命を奪った銃撃事件が起きたばかりだ。
「奈良市内での応援演説中に安倍元首相は銃撃され、懸命な処置もむなしくそのままこの世を去りました。銃撃した山上徹也被告はその後、取り調べに対して、実の母親が統一教会(現在は世界平和統一家庭連合)に多額の献金をしたことにより経済的に困窮し家庭崩壊したことを理由に、教団に対して恨みを抱いたこと。そして、教団の関連団体に安倍元首相がビデオメッセージを送っていたことから、安倍元首相が教団と深い関係にあると思い、犯行に及んだと供述していました」(全国紙記者)
山上被告の犯行動機はメディアに大きく取り上げられ、昭和の終わり頃から高額献金や霊感商法が問題視されてきた統一教会への批判が再燃。深い関係にある議員が多いとされてきた自民党も、昨年10月に今後統一教会と関係を持たないことを宣言する事態となった。
こうした流れの中で、“宗教2世”である山上被告を“擁護”する人も相次ぐことに。
「山上被告の境遇に同情する人が少なくなく、拘置所には衣類や食料品だけではなく、100万円を超える現金までもが差し入れられたそうです。中にはファンレターを送る人もいたといいます。
また署名サイトでは減刑を求める署名が事件直後に立ち上がり、現時点で1万3000筆を超えています。また、山上被告を題材にした映画も製作され、昨年9月に行われた上映イベントである漫画家は『私と夫は“山上様”と呼んでいます』と発言するなど、山上被告を支持する人は少なくなかったのです」(週刊誌記者)
しかし、どんな背景や過去があったとはいえ、山上被告が人の命を奪ったことは紛れもない事実。それゆえ、一連の山上被告を擁護する動きに対して、ネット上ではたびたび“テロを称揚している”“英雄視するのは違う”といった諌める声が上がっていた。
そんななか、再び起きた選挙活動中の“テロ”行為。改めて、山上被告を持ち上げる動きに警鐘を鳴らす声が相次いでいる。
《山上の減刑に署名した皆さん、しっかりと見てくださいね》《山上に金とか減刑署名書いたやつほんま反省しろ》《山上を賛美・英雄視した結果なんじゃないの? 支援金やら映画やらさ…どうかしてるって》