ツバメノート、創業からデザインが変わらないのはなぜ… 「76年前の秘密」に驚き

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新年度に入って、文房具やノートを買い揃える人も多いことだろう。店に行くと、様々なノートが並んでいるが、ツバメノートはいつ見ても変わらないデザインだ。
いま、ネット上ではそんなツバメノートに注目が集まっていて…。
話題になったきっかけは、3月下旬、ツバメノートの販売元であるツバメノート株式会社の公式ツイッターの投稿だ。同アカウントは、「新年度のお知らせ」と題して「創業より変わらぬ、ツバメノートの意匠ですが、来年度もデザイン変更しないこととなりました」とツイート。
〇新年度のお知らせ
お客様各位拝啓 平素は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。創業より変わらぬ、ツバメノートの意匠ですが、来年度もデザイン変更しないこととなりましたので、ここにお知らせいたします。来年度も何卒よろしくお願い申し上げます。 敬具 pic.twitter.com/8RnO1NXTe8
ツバメノート株式会社 公式 (@TSUBAME__NOTE) March 27, 2023
新年度というタイミングであれば、何かしらの変更を告知するケースが多いが、「変更しないお知らせ」は珍しい気がする。同ツイートには昭和40年(1965年)と令和5年(2023年)のノートの写真が添えられているが、確かに全然変わっていない…。
ツバメノート株式会社の創業は昭和22年(1947年)なので、じつに76年も伝統を守り続けているのだ。
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昭和、平成、令和と時代が移り変わる中、世の中に出回るものは日々変化している。そんな中、創業当時のデザインを貫くツバメノートの姿勢はネット上で話題に。
「子供の頃から変わってないのが嬉しい」「昔愛用してたけど、いつも表紙見るたびに、わくわくする気持ちが蘇る」「あらゆるものが凄いスピードで変わっていく中の変わらない良さ」「ツバメノートさんは、これじゃなきゃ」など、絶賛する声が多数あがっている。
創業当時から変わらないこのデザインはいかにして生まれたのだろうか。ツバメノート株式会社に取材したところ、「意外な裏側」が明らかになったのだ。
取材を申し込んだところ、なんと同社の代表取締役である渡邉一弘さん直々に応じてくれることに。それだけ、ノートにかける強い思いがあるのだろう。

渡邉さんによると、1947年の創業当時、会社の前を偶然通りかかった占い師が『ここは輝いてる』とオフィスに入ってきたのがきっかけだったという。
「その占い師の方は当社がどんな会社か分からず入ってきたそうです。ノートを作る会社であると伝えたところ、『(ノートの)デザインを描くので見てください』と言って描き始めたそうです。そのデザインが見事だったので、採用されることになりました」(渡邉さん)。
“飛び込み営業”のような形でできたものだったのだ。もし、占い師が会社の前を通らなかったらこのデザインにならなかったと考えると、「運命」を感じずにはいられない。
シンプルで重厚感のあるデザインは多くの人に愛されている。とはいえ、76年という長い歴史の中で、デザインを変えようと思ったことはないのだろうか。
「社員も気に入っていますが、時代の流れと共に『デザインが古いのでは?』という意見が出たこともありました。しかし、創業者の奥様から『このデザインは守り続けなさい』と言われたそうです」(前出・渡邉さん)。
何とも、ノートへの愛を感じるエピソードである。最後に、今回のツイートに対する反響を尋ねたところ、前出の渡邉さんから「深い意味はないのですが、ネタの一つとして投稿したんです。当社では商品をネットで告知する方法も考えており、その一つだったのですが、ここまで話題になるとは思いませんでした」というコメントが寄せられたのが印象的だった。
「変わらない良さ」を大切にするツバメノート。これからも、このデザインを後世に引き継いでほしい。