JALの新・国際線主力機の「最強座席たち」その全容とは? 24年最強の“航空トピック”のひとつに

2024年、航空業界で大きな話題を呼んだトピックのひとつが、JALが1月から定期便に投入した新型長距離国際線主力機「エアバスA350-1000」です。この機は、全クラスで革新的な新座席が導入されました。この新座席はどのようなものなのでしょうか。
2024年、航空業界で大きな話題を呼んだトピックのひとつが、JAL(日本航空)が1月から定期便に投入した新型長距離国際線主力機「エアバスA350-1000」です。この機は同社にとって20年ぶりの長距離国際線主力機の更新となり、それにあわせ、全クラスで革新的な新座席が導入されました。この新座席はどのようなものなのでしょうか。
JALの新・国際線主力機の「最強座席たち」その全容とは? 2…の画像はこちら >>JALのA350-1000初号機(2024年1月14日、乗りものニュース編集部撮影)。
JALのA350-1000の客室はファースト、ビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミーの4クラスで、239席が設置されています。機内は姉妹機であるA350-900などに採用されている国内線最新仕様のデザインを意識した、「日本の伝統美」をモチーフにしたインテリアが採用されました。
客室開発担当者によると、この新客室の開発には約5年を要したとのこと。「お客様のニーズの多様化を踏まえ、お客様に機内での過ごし方を“デザイン”していただくことが、A350-1000の客室コンセプトです」と話します。
では、この客室をクラスごとに見ていきましょう。
JALのA350-1000のファーストクラスは特注仕様で、他の航空会社ではあまり類を見ない、150cm超の高い壁を設置した完全個室型のものが採用されています。座席は通常時の「ソファー」モードに加え、半分を座席に半分をベッドとする「シート&シングルベッド」、席をすべてベッドとして使う「ダブルベッド」、計3モードが選択できる特徴的な仕様となっています。「ダブルベッド」モード時の幅は約123cm、長さは最大約203cmにも及びます。
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JALのA350-1000初号機の機内(2024年1月15日、乗りものニュース編集部撮影)。
ビジネスクラスは同社史上初の扉付き個室タイプのものが導入されており、ファーストクラスともに世界初のヘッドレスト内蔵スピーカーを座席に搭載しているほか、充電設備にはUSBや電源コンセントに加え、端末を置くだけで充電できる、ワイヤレスタイプのものも装備されています。
プレミアムエコノミークラスは「以前のビジネスクラスに近い体験ができる」(担当者)とのことで、このクラスとしては世界で初めて電動のリクライニング機構を搭載。また、可動式の仕切り板も搭載されており、プライバシーへの配慮も見られます。
エコノミークラスは、膝周りの収納スペースに工夫を加えることで足元のスペースを確保したといいます。また、座席の背もたれを従来のものより倒れ気味とすることで、リクライニングをせずともリラックスできるような工夫も凝らされています。もちろん、全クラスでUSBポート、電源コンセントは完備されています。
また、機内エンターテインメントシステムは、15言語に対応。モニターは4Kに対応しているほか、全クラスでブルートゥース接続に対応し、自分のワイヤレスイヤホンを使用して映画などを楽しめます。また、内容も電子書籍のラインナップを拡充し、ライブTVや文字ニュースなども利用できるとのことです。
2024年12月現在、JALのA350-1000は7機が受領済みの状態で、羽田~ニューヨーク、ダラス・フォートワース、ロンドンの3路線に投入されています。同社において同モデルは今後、13機体制となる予定で、現在長距離国際線で運航されているボーイング777-300ERの後継機となる計画です。