東急百貨店渋谷本店が閉店「思い出がなくなるのは寂しい」同い年の女性らが別れ惜しむ

東京・渋谷のファッションや文化の象徴として知られた東急百貨店渋谷本店が31日、営業を終えて約半世紀の歴史に幕を下ろした。最後のセールには常連客らが詰めかけ別れを惜しんだ。
東急の最後を見届けようとセレモニーが行われた建物入口前の歩道は客でごった返し、車道を挟んだ歩道でも別れを惜しむ客が最後のときを待った。午後7時8分頃にシャッターがおろされたが、客の多くはスマートフォンでシャッターがしまる光景を動画に収めていた。
横浜市の会社員・大野友子さんは同店と同じ1967年生まれ。昔は自由が丘に住んでいたといい「祖父、祖母の用事についてきて、子ども服を買ってもらってお子様ランチを食べて帰るというのが楽しみでした」と懐かしんだ。「今日は形だけでも見に来ようと思って来ました。思い出が無くなるのは寂しいです」と惜しんだ。
世田谷区の日本語教師・牛嶋美幸さんは40代前半から50代半ばまでお中元やお歳暮の入力をするアルバイトを約15年間していたという。「アルバイトではあったけど思い出があった場所が無くなるのは寂しいです」と話した。この日は最後の思い出にネックレスを購入。「明日仕事につけていこうかなって思っています」と話した。
東急本店は1967年に開店。高級ブランド品を取りそろえ、近くの高級住宅街の富裕層を中心に支持を集めた。今後建物は取り壊され、2027年に外資系ホテルも入る地上36階建ての複合施設に生まれ変わる予定。再開発は89年に隣に開業した複合文化施設「Bunkamura」と一体で行われる。