G7広島サミットの開催を5月に控え、成田空港署はJR成田空港駅構内で、鉄道社員向けの不審者対応訓練を行った。多くの人が集まる空港や駅はテロの標的になる可能性があることから、有事の対応を再確認した。
参加したのはJR東日本と京成電鉄の社員や警察官など計約40人。不審者が現れた際、警察官が現場に駆け付けるまで駅員らがどのように対応すべきかを訓練。さすまたなど装備を使って不審者を制止するすべを実演で学んだ。
実践的な訓練も行い、男性警察官が刃物を振り回す不審者役を担当した。鉄道2社それぞれが職員3人のチームを組み、さすまたや盾で不審者役に応戦。相手に威圧感を与える構え方や刃物を動かせなくする押さえ方を駆使して制止した。
佐藤新治署長は鉄道職員に対し「警察のみでは対応が難しい事案もあり、連携強化が不可欠だ」と呼びかけた。田口和広警備課長は「刃物以外にも爆発物や自作の銃を使った犯罪もある。(G7に合わせ)駅などのソフトターゲットが狙われる可能性もある」と指摘。今後、旅客ターミナルでのテロを想定した訓練も実施するなど警戒を強化していくという。