公立夜間中学、千葉市に開校 国籍年代さまざま38人入学 学び直し支援に決意新た

義務教育を満足に受けないまま学齢期を過ぎた人らの学び直しを支援しようと、千葉市が設置した公立夜間中学「市立真砂中かがやき分校」(美浜区)が18日夜に開校し、開校式と入学式が開かれた。国籍もさまざまな10代~60代の男女計38人が入学し、生徒らは「勉強を頑張りたい」と決意を新たにした。
公立夜間中学は、かつては戦後の混乱期に学校に通えなかった人たちの学びの場だったが、近年は、外国籍や不登校で十分に義務教育課程を学べなかった生徒が増えるなど役割が多様化している。県内では松戸、市川に続いて3校目。
同分校は、同区の教育複合施設「まさご夢スクール」内に設置し、授業は平日夕方から4時限。通常の中学校と同様に、体育や美術などを含む10科目を勉強する。学習履歴や習熟度に合わせ3学年に振り分けられ、1年生21人、2年生11人、3年生6人で各1クラス。教職員は23人で、全ての授業で3~4人の教員がついて手厚く指導する。
7割に当たる28人の生徒が外国籍。日本語に不慣れな生徒のため、翻訳機を貸与し活用するほか、各クラスには日本語指導担当教員も配置する。
開校式では、新入生を代表し日本人で最高齢の男性(66)が「入学できうれしい。素敵な学校と胸を張れるよう頑張りたい」とあいさつ。幼少期に母親を亡くすなど家庭の事情で十分に中学に通えなかったといい「若返った気持ち。卒業後は定時制高校にも通いたい」と意気込んだ。
山崎二朗校長は「年齢や国籍が異なる生徒の夢を実現するため、学ぶ環境を保障する」と強調。神谷俊一市長は「共生社会実現の役割を果たすことを期待している」と述べた。
3年生として入学し、コンビニで働きながら卒業を目指すネパール出身のタパ・ダイモンさん(17)は「日本語の勉強のほか、理科や社会を頑張りたい」と笑顔。幼少期からインドネシアの学校に通っていた浜野はるかさん(15)は「いろいろな人と知り合えるのも楽しみ」と声を弾ませた。