相次ぐ死亡事故… 前兆現象ない“表層雪崩”に注意!冬山に入る際は「厳重な装備を」【新潟】

長野県で相次ぐ雪崩の死亡事故。1月28日にはバックカントリーのスノーボードをしていた新潟県魚沼市の38歳男性が死亡し、29日にはバックカントリースキーをしていた外国人5人が雪崩に巻き込まれ、そのうち2人が死亡しました。

【雪崩・地すべり研究センター 吉柳岳志さん】
「気温が低い中、積雪が続き、積雪深が増えた状況で、古い雪の層の上に積もった雪が崩れる“表層雪崩”というのが、この時期は多いので、そういたものなのかなと思っている」

こう原因を推測するのは、県内で地すべりや雪崩について研究する吉柳岳志さんです。

今回、長野県で発生したとみられるのは“表層雪崩”。古い積雪の上に新雪が積もり、新雪部分が一気に滑り落ちる雪崩で、速さは時速200キロにも及ぶといいます。

こうした雪崩の危険性は県内にも。

【雪崩・地すべり研究センター 吉柳岳志さん】
「危険箇所は村上市から雪の多いところ。中越南部とか災害事例は新潟県全域である」

去年2月、糸魚川市の山あいで表層雪崩が発生し、50代の男性が巻き込まれて死亡したほか、1月13日には五泉市の菅名岳に入った50代男性が雪崩に巻き込まれ、死亡する事故がありました。

【雪崩・地すべり研究センター 吉柳岳志さん】
「表層雪崩は、前兆現象が表面で、目で見て分かる形で出てこない時も多い。雪が多く降っている状況で過去に起こった所や積雪が多い所に近づかないようにするしかない」

雪が降る時期に多く発生するという表層雪崩。前兆現象がないため、危険な斜面に近づかないことが最も重要です。もし、冬山に入る際には…

【雪崩・地すべり研究センター 吉柳岳志さん】
「雪の中に埋まってしまうので、救助を速やかにやるために一般的には、ビーコンを持って行ったり、スコップですぐ掘り出せる装備。厳重な冬山装備というものを持って行くよう言われている」

雪に埋まっても自分の位置を知らせるビーコンなど、自分の身を守るための冬山装備が重要となります。

県内は2月1日、3月並みに気温が上がる予想で、積雪の多い地域では雪崩により、いっそうの注意が必要です。