【国頭】豪雨災害で床上浸水が相次ぎ、家財を失った国頭村比地区の被災者を支援しようと、生活用品の販売を手がけるタバタ(うるま市石川)が4日、同区に無償で家具を提供した。運送は今帰仁村の北部港運が担い、10トントラック2台分の家具が被災地に届けられた。複数の企業や人が連携して支援に乗り出し、生活再建がまた一歩前進した。(北部報道部・比嘉海人、金城勲通信員)
提供した家具は、米軍払い下げのタンスやいす、食卓テーブル、ソファ、ベッドなど。販売する物と廃棄する物に仕分ける前だったという。
提供のきっかけは、作業服の卸売りをしている「ワーカーズトータルユニフォーム」元代表の男性(69)の一言。長年取引しているタバタに「(家具の)在庫を抱えているものがあれば、何か被災地に提供できないか」と呼びかけたという。男性はこれまで、軽トラック4台分の作業服やTシャツを同区に寄付していた。
区民らは12月29日、家具が保管されたホームセンタータバタ・ネーブルカデナ店の倉庫を訪れ、欲しい物を選んだ。
問題は大量の家具の運送だった。元代表の男性が、衣料品の在庫を預けている北部港運に相談。すると、同社が無料運送を引き受けた。フォークリフトを使って比地区の公民館に搬入し、希望者には自宅内まで運び入れた。発起人の男性は「『皆でどうにかしよう』という気持ちがあったから、家具の提供を実現できた」と話した。
タバタの田端孝史常務(50)は「クリスマス前に話をいただき、年始すぐに届けられた。あの量を僕たちだけで届けるのは無理だったので、北部港運さんが運んでくれて助かった」と語った。タバタは家具のほかに、軽トラ1台分の鍋などの生活雑貨品も提供した。
大城健治区長は「お心遣いがとてもありがたい。一日も早く日常に戻れるようにしたい」と感謝した。家具を無償提供、豪雨災害の国頭村比地区に 企業連携で被災者支…の画像はこちら >>
提供されたタンスなどの家具を見て、感謝する大城健治区長=4日、国頭村比地区