千葉県柏市高柳の住宅敷地で昨年12月、この家に住む50代の夫婦が刺殺され、その後近くの住宅8棟が全焼した放火事件を巡り、千葉県警柏署捜査本部は14日、事件後の職務質問の際の公務執行妨害容疑で逮捕していた職業不詳、酒巻馨容疑者(77)を放火の疑いで再逮捕した。容疑者は8棟のうちの80代女性が住む住宅に油類をまいて火を放った疑いがある。捜査本部によると、この女性はやけどを負い重傷で、今も入院中。容疑者は「何もない」「知らない」などと容疑を否認し、取り調べに応じていないという。
捜査本部は、酒巻容疑者が夫婦刺殺事件に関係しているとみて捜査している。
捜査関係者によると、容疑者は全焼した住宅の一つに住んでいて、火災直後連絡が取れなくなっていた。捜査本部によると、目撃証言などから現住建造物等放火容疑で逮捕状を取って行方を捜査。職務質問をされた際に妨害したとして公務執行妨害容疑で逮捕されていた。
容疑者は公務執行妨害容疑の取り調べに対し、曖昧なことを言って応じず、今回の放火容疑の取り調べにも応じていないという。
再逮捕容疑は昨年12月18日午後6時~同6時20分ごろ、80代女性の住む同市高柳の木造平屋建てに油類をまいて火を放ち、全焼させた疑い。
捜査本部はこの家やその周辺の数カ所から出火したとみて、詳しい状況を捜査している。
千葉地検は今月14日、公務執行妨害容疑について処分を保留にした。捜査を続けるとしている。