「共テ当日はチャンスデー」SNSの「痴漢煽り」から受験生守れ 近年目立つ悪質投稿、千葉県警や鉄道各社が対策強化 入試センター「被害は追試の対象に」

千葉県内も会場となる大学入学共通テスト(18~19日)を前に、千葉県警や鉄道各社は痴漢対策を強化している。近年、受験期間が近くなると、電車利用の受験生への痴漢行為を煽(あお)るような悪質な投稿がSNSで相次いでいる。大学入試センターは「(痴漢被害などは)やむを得ない事由として追試験の対象になる」と呼びかけている。
SNSのX(旧ツイッター)などで「共テ(大学入学共通テスト)当日は痴漢チャンスデー」などと受験生を狙った痴漢行為を煽るような投稿が目立っている。背景には試験に遅れることができないという受験生の弱みにつけ込み、痴漢されても声を上げたり被害を届け出たりしづらいだろうという考えがある。
大学入試センターはホームページで「(痴漢被害は)試験場に向かう途中に生じたやむを得ない事由として、追試験の対象となります。このような場合は、速やかに受験票に記載されている『問合せ大学』に電話連絡を行ってください」と説明。文部科学省もXなどで、追試験の対象になると呼びかけている。
千葉県警生活安全総務課によると、千葉県警は鉄道各社と連携し駅の構内外や受験会場周辺の警戒を強化している。JRは車内や駅構内での放送、ポスター掲示などで対策。「駅係員による積極的な声かけも行う」と、JR千葉支社は説明する。
同課によると、2023年の千葉県警による痴漢摘発は74件で、電車内での発生が多くなっている。電車に乗るときの対策として「混雑する出入り口付近より、人目のある座席側に立つ」「途中で車両を移動したり、立つ位置を変えたりする」といった方法を示す。
同課犯罪抑止推進室の高橋功樹室長は「受験生が安心して試験に臨めるように、周りの人も痴漢行為を見かけたら積極的に声をかけてほしい」と訴えた。
千葉県警は女性の警察官が相談に応じる「女性相談所」を設置していて、電話(0120-048-224)でも相談できる。