1月12日に行われた岐阜市藍川校区の「二十歳のつどい」。参加したのは、今年度20歳になる若者約50人でした。
若い女性の県外流出…カギは仕事?従業員の7割が子育て女性の会…の画像はこちら >>
(参加者)「会社が愛知県なので、愛知の高浜市に住んでいます」「大学が富山県にあるので、富山に住んでいます」
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藍川校区はJR岐阜駅から北東に10キロ程離れたところにあり、0歳から19歳の人口は、彼らが生まれた20年ほど前は約1500人でした。ところが現在は約500人と3分の1にまで減少しています。高齢化率は47パーセントです。
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この日、お祝いに駆け付けたのは10歳年下の藍川小学校4年生の児童たち。「よさこいソーラン」が披露されましたが、藍川校区の4年生は現在22人。10年前の半分以下に減っています。(自治会連絡協議会会長)「皆さんが育った故郷が大変さみしくなっています。1人でも2人でもいいから故郷に帰ってきて藍川を盛り上げてくれるとありがたい」
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こうした「少子化」や「人口減少」は岐阜県全体の課題です。県内の人口は2000年のピーク時と比べて約20万人減少。この先2050年には、さらに約54万人減ると推計されています。
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藍川校区の「二十歳のつどい」に参加していた坂野一帆さん(19)は現在、岐阜市の実家から愛知県の大学に通う2年生です。卒業後の希望は?(坂野一帆さん)「こっちに戻ってこなくて愛知の方で就職する。(岐阜から)引っ越しする」
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希望は都市部で出版関係の仕事に就くことです。(坂野一帆さん)「やりたい仕事や職種が県外にあるというのと、若い女性がいないので、ちょっとさみしい」
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年代ごとに岐阜県外から転入した人と転出した人の差をグラフにしてみると、就職などを機に県外に出る20代の女性が特に多いのが特徴で、人口減少の原因の1つとされています。県外に出ることを考えている坂野さんが将来の職場に期待している事の1つは…。
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(坂野一帆さん)「子育て制度などが充実していて、子どもを連れていける職場だとうれしい」こうした声も若い女性から上がっている中、岐阜市には子育て世代の女性のニーズに応える会社があるんです。
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プリント加工会社の坂口捺染(なせん)。約230人の従業員のうち、7割ほどが子育て中の女性です。社長の坂口輝光さんは従業員の働きやすさにこだわってきました。
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(坂口捺染 坂口輝光 社長)「夏休みに、お母さんは長期連休になる。連休になるとお金もないし、本当は(会社に)来たいというので(子どもを)連れてきたらと」
去年の夏休み期間
坂口社長は子連れ出勤を認め、従業員の子どもたちは去年からは社内のフリースぺースで自由に過ごせるようになりました。さらに…。(従業員:4児の母親)「すみません、遅くなりました。本当は朝から勤務なのですが、子どもの病院に行ってから来た」急な休みや勤務時間の変更などにも柔軟に対応。
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(従業員:2児の母親)「(子どもの)急な体調不良でも、すぐに帰らせてもらえる」(従業員:2児の母親)「(早退すると)『また?』みたいな感じで言われるところが結構多いと聞くので、ここはそういうのがないのがありがたい」
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(坂口捺染 坂口輝光 社長)「どうしたら、この人たちを雇えるかなとか就職できるかなとかを考えると、会社としてできることが広がるし、働きづらいといわれている女性が『こんな会社があるじゃん』となるのではないか」
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坂口社長は従業員の子供たちやご近所さんたちにも楽しんでもらおうと、会社のそばに駄菓子店を作りました。徹底した「従業員ファースト」。その結果、就職希望者が途絶えることはなく、いま多くの企業が抱える人手不足の問題とは無縁です。この「坂口流働き方改革」は行政からも注目され、岐阜市の市長が視察に訪れたことも。
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1月26日投開票の岐阜県知事選を前にして坂口社長が今、思うことは?(坂口捺染 坂口輝光 社長)「行政が(背中を)押してあげることで、できることはあると思う。急な休みというのは小さい子どもを持つ家庭にはある。急な休みを取らせた企業を『1時間いくら』と補助金があると分かりやすい」
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岐阜県知事選の候補者2人の考えは?(江崎禎英 候補)「特に子育て中のお母さんが変則的な時間であっても働ける職場が大事。そういう取り組みをしている企業を表彰する」
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(和田玲子 候補)「女性が働きやすくするために、長時間は働けないので、財政的に大変な企業については支援する」
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二十歳のつどいに参加していた坂野さん。1月18日には岐阜県知事選の期日前投票を行い、自身の思いを票に託しました。(坂野一帆さん)「人口減少や働き方改革を工夫して、岐阜の発展を願って投票した」