「心折れた」“破壊行為”相次ぎレトロミュージアム閉館へ…問われる“利用者のマナー” 子どもを注意した館長に親が逆ギレ「触れるような状態にしておくな」

昭和に愛されたおもちゃで遊ぶことができる新潟県出雲崎町の博物館が2月で閉館します。その理由は、相次いだ展示品の破壊行為…。利用者のマナーのあり方が問われています。
出雲崎町におととし開館した『出雲崎レトロミュージアム』。昭和のおもちゃが並び、直接触れて楽しむことができる体験型の施設です。しかし…【出雲崎レトロミュージアム 中野賢一 館長】「ボタンがなくなっている。(Q.盗まれた?)うーん、持って行ったのかな。(Q.いま気づいた?)たぶんきのう…。きのうの朝あったので」館長の中野賢一さんがこの日見つけたのは、ボタンが取れたおもちゃの自動販売機です。すると…【出雲崎レトロミュージアム 中野賢一 館長】「とりあえず、これでOK。この機械は新潟にここにしかないので、部品もない。(Q.何で代用?)固い砂消しゴムを切って」応急処置を施した中野さんですが、こうした対応は初めてではありません。【記者リポート】「こちらのおもちゃ、よく見ると、レバーの部分をテープで修復した跡が残されています。こうした壊される被害が相次いでいるということで、こちらの博物館は閉館することを決めたということです」【出雲崎レトロミュージアム 中野賢一 館長】「この前の土曜日にちょっと直したが、ここを全部はがされて」
博物館では展示しているおもちゃを壊される被害が相次いで発生。中野さんは「子どもが壊してしまうのは仕方がない」と話す一方で、問題に感じていたのが親の対応です。【出雲崎レトロミュージアム 中野賢一 館長】「レトロなパチンコとかがあるので、親はそれに夢中になっちゃって、子どもがやっていることを見ていない」中には…【出雲崎レトロミュージアム 中野賢一 館長】「親子で言い合いみたいなのが始まって、子どもがここにあったおもちゃをバサーッと落とした。注意したら、その子どもの親から『だったらこんなところに触れるような状態にして出しとくんじゃねえよ』という言い方をされて。それでちょっと心が折れて」今の形での運営に限界を感じた中野さんは2月で博物館を閉館することを決めました。開館からわずか1年余りでの決断に来館者は…【来館者】「来る人もちょっと考えてもらわないとだめじゃないのとは思ってはいる。個人的に」【来館者】「私なんかは触れなくても見ているだけで楽しい。触れなくてもこういうのがあればいいなと思う」中野さんは今後、新たに昭和の博物館を開く方針ですが、展示品に触れることはできないようにする考えです。【出雲崎レトロミュージアム 中野賢一 館長】「次のステップに向かって、新しい楽しめる昭和館にしていただこうかなとは思う」新たな博物館では、大人も子どももマナーのあり方を考えることが望まれます。