超高級スポーツカー「フェラーリ」の大型ショールームが日本にオープンした。規模はアジア最大級とのこと。ということは、日本はフェラーリにとってお得意様なのか? 「F50」や「296GTS」などのきらびやかなスーパーカーがズラリと並ぶ新店舗を訪問してきた。
○日本は世界トップ3のフェラーリ大国
コーンズ・モータースは4月27日、高級スポーツカーブランド「フェラーリ」の販売拠点として新たに移転・開設する「コーンズ 芝ショールーム」(東京都港区芝3-3-10)を報道陣に公開した。
新ショールームは同社の親会社であるコーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドが新設した本社ビル(11階建て)の1階と3階の2フロアに展開。店舗面積はフェラーリのショールームとしてアジア最大級となる741平方メートル(従来比約1.5倍)を誇る。さらに地下2階には、サービスセンターと駐車スペースの457平メートルが確保されている。
最新のCIを採用した内外装は「イノベーティブ」「オーセンティック」「ウェルカム」という3つの要素を取り入れた空間デザインを採用。ショールームは「ヘリテージ」「パッション」「イノベーション」「ハンドメイド」「チーム・スピリット」というフェラーリのDNAをユニークな体験を通して伝えることができる場所になっているという。
1階は新車7台分というゆったりとした展示エリアが広がり、デリバリーセレモニー専用スペース、プライベートな商談エリアなどが設置されている。3階には認定中古車である「Ferrari Approved」の6台を展示するほか、バーカウンターを併設したVIPラウンジ、ホイールやシート、ステアリングなどさまざまなパーソナライゼーションが可能となるアトリエ、イベント時の展示スペースにもなる開放感あふれるオープンテラスなどを設けた。
オープンに合わせ、会場内にはフェラーリの希少モデルを展示している。
そのうちの1台は、「ロッソ・コルサ」(レーシング・レッド)に塗られた美しい「F50」。フェラーリ創設50周年を記念するとともに「F40」の後継として1995年に制作されたスポーツモデルだ。開発コンセプトはエンツォ・フェラーリの息子であるピエロ・ラルディ・フェラーリが掲げた「公道を走るF1」で、エンジンは1992年のF1用3.5L自然吸気V型12気筒の排気量を4.7Lまで拡大して搭載している。
ほかには、ワンメークレースの「フェラーリチャレンジ」に参戦するホワイトカラーの「488Challenge EVO」などを見ることができる。
テープカットに臨んだフェラーリ極東・中東エリア統括のディータ・クネヒテルさんは、「今回の新しいショールームはアジア最大級の大きさを誇り、フェラーリを愛する人たちのホームとなるべく設計されました。日本は世界でトップ3に入る重要な市場であり、継続して成長しています。また、日本のお客様はフェラーリの市販モデルに対して深い理解を示してくれていますし、F1というレースに関しても同様です。さらに技術に関しての知識が深いので、イノベーションや革新に対しても大きな心で対応し、歓迎していただいています。ロイヤリティが高く、コレクターが多いのも特徴ですね」と挨拶した。
またコーンズ代表取締役社長兼CEOの林誠吾さんは、「ショールームには最新モデルから厳選した認定中古車まで幅広い車両をそろえており、フェラーリを感じたい、そして購入したいというお客様にきちんと提示することができる貴重な場所になっています。お越しいただければエクスクルーシブでラグジュアリーなフェラーリの世界観を堪能できると思います。また、都内屈指の交通量である首都高を目の前にした立地ということで、道ゆくたくさんのドライバーにフェラーリをしっかりとアピールできる場所になると思っています」と語った。
スーパーカーが自由に走ることに関しては「少し窮屈な時代に差し掛かってきています」とする林さんだが、フェラーリとは1976年からパートナーシップを続けてきたコーンズとしては「これからも、フェラーリがさらに価値あるものとなるよう考えていかなくてはなりません。走ることが楽しいという作り手の声を、数多くお届けするディーラーになりたいと思います」とする。そのための場所として、千葉県南房総市で会員制サーキット「ザ・マガリガワ・クラブ」を間もなくオープンする予定だ。
原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。 この著者の記事一覧はこちら