フランスで18禁美術イベント開催 「身体の存在感じる」ため客は入り口で全裸に

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フランスで、世にもユニークな成人向け美術イベントが開催された。現代アートを展示する美術館とヌーディスト(裸体主義者)の団体がともに企画したイベントで、来場者は入口で服を預け、裸で作品を見て回ったという。
『Daily Star』や『Daily Mail Online』などの海外メディアが報じた。
フランス・リヨンにあるリヨン現代美術館(MacLYON)が27日、服を脱いだ状態の人しか参加できないイベントを開催した。入口で服を預けた客は、同美術館内の展示物を90分間見て回り、ドリンクを片手にその体験について語り合った。
これは、同美術館と「フランス裸体主義者連盟」がともに企画したイベントだ。「裸体主義者」とは「ヌーディスト」とも呼ばれ、一般的には衣服や社会規範からの解放を求めて、裸で日常生活を送る人々のことを指す。
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この展示イベントは、17世紀のフランスの哲学者ルネ・デカルトの「我思う、ゆえに我あり」という言葉に、インスピレーションを受けているという。
デカルトはこの言葉で「人間は精神的な生き物である」ことを強調したが、このイベントはその考えを否定している。
裸で美術作品を見て、自分の身体の存在を意識することで、「生き物はすべて身体の上に成り立つ」という事実を伝えようとする試みだ。

裸になるイベント自体は終了したが、身体の存在に焦点を当てた美術展示は7月まで続く。入場料は11ユーロ(約1,600円)だ。
フランス裸体主義者連盟のフレデリック・マルタン会長は、同イベントに関して「裸の状態で作品を鑑賞するという発想が面白い」とコメントしている。
裸体主義はヨーロッパ圏で特に実践する人が多い概念で、フランスでは過去にも似たような美術展が開催されてきた。
例えば昨年にはパリにあるマイヨール美術館が、精巧なヌード彫刻を集めた展示を開催し、観客が裸でそれを鑑賞する時間を設けた。仮想世界が発展する現代において、リアルな感覚の体現を目指したという。
報道を見た人々からは、「これがアート? 自分には分からない」「服を着ていても脱いでいても、作品は同じように見えると思うけど…」「この世界は日に日に不思議になっていくね」などとコメントが寄せられ、馴染みのない芸術の形に戸惑いを見せた。
なかには「周囲の目を気にしてしまうから行けない」「家で自分の裸を見ていようと思う」といった声も。表現方法が絶えず変化する芸術は、いつの時代も賛否両論があるようだ。