沖縄電力の電気料金値上げに関する公聴会では、経済産業省に意見陳述届出書を提出した3人から「料金値上げは負担が大きい」「国のエネルギー施策の失敗で納得できない」「国際的情勢による燃料価格の高騰が要因でやむを得ない」などの意見が上がった。また、経産省が昨年12月5日から今月26日までにインターネットで募集した意見の概要も紹介され、届けられた計34件の意見では「値上げ反対」や「人件費削減を」との意見が多かった。(政経部・石川亮太、知念豊)
関連記事「値上げは断固反対だ」「経済に冷や水」 沖縄電力の料金43%引き上げ方針で公聴会 | ・・・ 沖縄電力(浦添市、本永浩之社長)が国に認可申請した電気料金の値上げに関して、一般消費者から意見を聴く経済産業省に・・・www.okinawatimes.co.jp 公聴会の会場で発表した意見陳述人からは、企業収益や県民生活に大きな負担が出るのは明らかとし、段階的な料金引き上げを検討すべきだという意見、沖縄経済に壊滅的なダメージを与える可能性があるとして値上げに反対する意見などが出た。
一方で、意見陳述した男性は「値上げはやむを得ない」と指摘。カーボンニュートラルへの積極的な投資と長期的な経営効率化につながる人材戦略の取り組みが「電力の安定供給と低廉化だけでなく、県経済や企業の成長につながる」と話した。
公聴会は関係機関やメディアのみの公開。新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から一般傍聴はオンラインで実施された。
事前にインターネットで経産省に届いた意見で最も多かったのは値上げに対する内容で、具体的には「簡単には受け入れられない値上げ幅だ」「一般家庭はもちろん、さまざまな事業者にとっても経済活動を妨げる要因となる」との声があった。「燃料高騰で値上げは致し方ないが、その前に企業努力が全く感じられない」「役員報酬・職員給与を下げるべきだ」との指摘もあった。
公聴会に出席した資源エネルギー庁の担当者は、値上げに対する国の考えについて「大幅な値上げが想定される中、昨年12月の補正予算で電気料金と都市ガス料金の激変緩和措置を講じている」と説明。施策の実施で「値上げ幅が2割程度抑制される効果がある」と説明した。
沖縄電力の本永浩之社長は「皆さんからの厳しい意見を真摯(しんし)に受け止めたい。値上げは大変心苦しいが、県民にとって一番大切なエネルギーの安定供給に支障を来しかねない状況だ」と理解を求めた。