NPO法人ファザーリング・ジャパンは4月28日、「隠れ育休調査2023」の結果を発表した。調査は4月17日~19日、2022年4月以降に生まれた子を持つ父親1,030名(公務員127名、会社員887名、経営者・役員16名)を対象にインターネットで行われた。
「隠れ育休」とは、育児休業制度とは別に有給休暇などを利用して産後の妻のサポートや育児のために取得する休暇のこと。改正育児・介護休業法の施行から1年が経過し、その実態について調査を行った。同調査は、2011年、2015年、2019年に続き4回目となる。
調査によると、育休と隠れ育休を合算した育休等取得率は64%と、過去3回(平均50%前後)に比べて上昇傾向に。また、隠れ育休の利用者数が12pt減り、育休制度利用者が24pt増える結果に。育休等を取得する全体数そのものが増え、隠れずとも育休制度を利用しやすい環境へと大きく変化し始めたことが見て取れた。
続いて、「会社に妊娠・出産を初めて報告したのはいつですか?」と尋ねたところ、「出産予定日の6か月よりも前」(31.5%)や「出産予定日の6か月前」(15.9%)など、80%の労働者が3か月以上前から妊娠出産の申出を行っていることが明らかに。しかしながら、会社に申出ても、改正育児・介護休業法の趣旨に準拠した対応をされていない人が55.3%もいることが分かった。
同時に、両親学級を受講していない男性が6割いる一方、何かしらの両親学級を受講した人の育休等取得率は平均80%であり、両親学級の受講が、育休等取得率の向上に影響を与える可能性が示唆される結果に。また、育休取得がしやすい条件を聞くと、2015年・2019年と同様に今回も「上司からの後押し等」がダントツの1位となった。