公立小学校で30代男性教諭から胸を触られるなどのわいせつ行為を受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)になり登校できなくなったとして、当時小学5年だった女性(16)と両親が教諭や千葉県などに計約5千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、千葉地裁(小林康彦裁判長)は1日、体に触った一部の行為を認め、県と当該自治体に計約125万円の支払いを命じた。教諭の賠償責任は認めなかった。
原告側によると、2017年9月ごろから18年2月ごろ、学校の廊下で顎や脇をくすぐるなどされ、体育館の女子トイレで清掃中に頭をなでられ、服の中に手を入れ胸を触られるわいせつ行為を繰り返し受けた。また、県と自治体が適切に対応しなかったため、学校に通えない期間が長期化したとしている。
小林裁判長は顎や肩、脇に触ったことなどは認めたものの「意図的に女児の胸を触り続けたと認められない」と判断。PTSDとの因果関係は退けたが「指導の範ちゅうを逸脱した方法により、女児に性的な嫌悪感や恐怖感を抱かせた」とした。校長が教諭に指導した後は問題がなかったことなどから、県と自治体に「違法な行為があったとは認められない」とした。
県教委教職員課によると、自治体は18年6月、不用意に女児の体を触ったとして教諭を口頭厳重注意とした。教諭は現在、別の自治体の中学校で特別支援学級の担任を務めている。
県教委教育総務課は「結果を重く受け止めている。判決内容を精査し、自治体と連携して対応を検討する」とコメント。自治体は「今後の対応について弁護士と検討して判断したい」とした。