新型コロナの位置づけが、8日から季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。徐々に「脱マスク」の動きが進んでいますが、街では依然としてマスクを外すことに抵抗感があるという声も聞かれました。 連休明けの8日朝、名古屋の金山総合駅に戻ってきた通勤客に、マスクの着用について取材しました。
女性:「周りの目も正直気になる部分もあって、マスクは外す時もありますけど、だいたいは着けとこうかなと」男性:「(連休中は)あんまりしていなかったかな」別の女性:「旅行に行っていました。(旅行中も)外してないです」 マスクの着用が個人判断となっておよそ2か月。5類となっても、外すことに抵抗感があるという声が多く聞かれました。 そうした中、マスクを外している人に話を聞きました。男性:「ゴールデンウィークくらいからもう外しています。もう問題ないかなというところで外しました」女性:「結構前から外していました。(Q.周りがマスクをしていると躊躇したりもした?)最初はそうですけど、あんまり気にしていないです」 5類移行で、個人や事業者の判断に委ねられることになった感染対策。学校でも大きな変化が起きていました。 岐阜市立岐阜小学校で8日朝、校内放送で先生が呼びかけていたのは「マスクなしを基本にする」というメッセージです。先生:「みんなのここ(口元)が見たい。『やっと外せる。でもみんな外していない』って思う人がいるんだったら、その誰かのみんなと一緒に外してほしいなって思います」 しかし、教室の子供達はほとんどがマスクを着けたままでした。
6年生の女子児童(マスクあり):「2年生からマスクを着けていて、マスクに慣れちゃった。体育の授業とかだったら、ずっと外していてもいいかなと思う」6年生の男子児童(マスクなし):「外していたけど、多くの人が着けていたから、そういうのに押されて着けちゃいました」 子供達も周りの雰囲気を敏感に感じているようで、合唱の授業でもマスクを外している児童はわずかしかいませんでした。
6年生の女子児童(マスクなし):「表情も分からないから、外した方が友達の表情が分かるから、みんなには外してほしいです。マスクしてないと歌いやすかったです」 これまで「黙食」がルールだった給食は、食事中の会話や机をくっつけて食べることが解禁されましたが、もはや黙食が当たり前になっているからか、みんな前を向いて静かに食べていました。
藤田校長:「もう少しマスクを外して子供たちが学校にやって来るかなと思ったのですが、あまり(連休前の)5月2日までと変わってない。表情で子供たちに感じてほしいことって結構あるので、マスクの制限とかコロナによる制限が解かれることは、すごく期待ができるかなと思っています」 店舗などの感染対策もそれぞれの判断となった5類移行。名古屋のホテルでは…。(リポート)「こちらのホテルのフロントではパーティションもなく、スタッフの方は半分ほどがマスクを外しています」 名古屋マリオットアソシアホテルでは、従業員のマスク着用は8日から「任意」に変更。フロントスタッフの半分ほどがマスクを外していました。
フロント支配人:「ホスピタリティ産業に従事している者にとって、笑顔というのも商品の一つだと考えております。マスクを取って満面の笑みでお客さまをお迎えしたいと思っております」 フロントなどに設置されていたパーティションも、7日夜に撤去されました。 ビュッフェ形式のレストランでも、感染予防策を緩和しました。広報担当:「お盆のところに手袋やアルコールの消毒液が置いてあったんですけれども、本日からは撤去しております。これから夏休みになって、たくさんお越しいただけると思いますので、笑顔を見せながらお客さまと接客ができるということは気持ちも高まりますし、とてもうれしいことだと思います」
新型コロナの治療に最前線で当たってきた、名古屋市中川区の名古屋掖済会病院を取材しました。感染対策室の看護師:「使っていない感じにはなっています。ガランとなって、だんだん普通になりつつあります」 コロナ患者が入院する専用病棟。確保している13床のうち、8日に入院していたのは2人。9日までにはゼロになる見込みですが、5類になってもコロナ病床を減らすことは考えていないといいます。
感染対策室の看護師:「5類になってウイルスが急に弱くなりました、人にうつしませんってなってくれるといいですけど。病院の中は重症化リスクのある人しか入院していないので」 パーティションも設置したままで、今まで通りの感染予防対策をして行く予定です。感染対策室の看護師:「病院の中はWithコロナは難しいんじゃないかなと思います」 8日から変わったこともあります。 コロナ患者に使われていた布団やシーツは、7日まではクリーニング業者が感染しないよう、水に溶ける洗濯袋に入れていましたが、8日からはなくなりました。
感染対策室の看護師:
「小さなチェンジですよね。みんなからしてみたら、手間が減っていくんじゃないかなと思うんですけど」
これまでは、指定された病院や発熱外来で診療が行われていた新型コロナ。5類移行で、今後は地域のクリニックなど、幅広い医療機関でコロナ患者を受け入れることが期待されますが、最前線で闘ってきた医師は警戒心を緩めてはいませんでした。
名古屋掖済会病院ERのセンター長:
「(新型コロナは)特別な病気じゃなくて、どこの病院でも診ましょうねという方針。とはいえ、どこでも本当に全部診ますよとすぐになるかというと、現実的には難しいところも正直あるんじゃないかなと思うので。患者さんがもしまた増えると、重症の方を受けられない、ベッドがないということが起きますから、そういうことは防ぎたい」