愛知県の江南市が、歩きながらスマートフォンを触る「歩きスマホ」を禁止する条例を施行して1カ月が経ち、9日に実態調査を行いました。 9日朝の名鉄・江南駅前。黄色いジャンパーに身を包み、カウンターを手にした人の姿がありました。(リポート)「条例の施行から1カ月、市の職員がその効果を図るため、『歩きスマホ』をしている人の定点観測を行っています」
歩きスマホの実態調査です。 江南市では4月1日から、東海3県で初めてとなる「歩きスマホ」を禁じる条例が施行されました。
罰則はありませんが、市内の道路や駅前広場など公共の場所での歩きスマホは禁止。操作したり画面を見る時は、通行の妨げにならない場所で立ち止まって行うよう求めています。 以前、記者が特殊な装置を付けて歩きスマホの危険性を確認する実験をしたところ、その視線は画面に集中していたことがわかりました。 近くを通る人に目が向けられることはなく、スマホ以外はほとんど見えていない状態で、専門家によると視野は20分の1ほどに狭まるといいます。
通勤・通学の時間を迎えた江南駅の西口。条例の施行から1カ月が経ち、どれだけの人が歩きスマホをしているのか、市の職員がカウントしていきます。 階段を上がった女性がすぐにスマホを手にしました。別の男性も、視線の先にあるのはスマホの画面。
男性:「結構使っている人は多いと思います。(この1カ月で)全然変わってないと思います」女性:「ナビとかを見る時によく歩きスマホしちゃうので、気を付けなきゃなと思っています」 市の担当者に、街頭での印象を聞きました。江南市防災安全課の担当者:「あまり変わらないかなという印象は受けました。長い時間、画面を注視している方は減ったかなというような印象を受けました」 江南市は午後、調査結果を公表しました。 条例施行前の2022年11月に調査を行った時は、歩きながらスマホを操作する人の割合はおよそ5.1%だったのに対し、9日は4.7%。減少幅は僅かで、まだあまり効果は出ていません。 利用者の意識改革は難しいのが現実ですが、2020年7月に全国で初めて同様の禁止条例を始めた神奈川県の大和市では、のぼりや路上表示するなどして、歩きスマホが半減するまでに半年かかったという実績があります。
江南市の取り組みは始まったばかり。浸透するには時間がかかるのかもしれません。