夏が近づいてくると無性に食べたくなるのが、枝豆。ふさつきのものを塩ゆでし、熱々をはふはふほおばって、濃い~豆の味を堪能したところで、キンキンに冷えた生ビール。日本の夏を代表する、酒飲みの究極の幸せのひとつですよね。
それはそれとして、枝豆はいつ食べたってうまい。とれたての豊かな風味にはかなわないけど、冷凍のものだってうまい。そこで今回は、冷凍枝豆を使った、簡単に作れてちょっと小粋なおつまみをご紹介。
ヒントは以前、ふらりと寄った居酒屋で何気なく頼んだ「枝豆山椒漬け」なる一品でした。
こういう、妙に酒飲みのツボを突いてくる、ちょっとひとひねりあるメニュー、見つけるとつい頼んじゃうんですよね。
そしたらこれがビールのおともにばっちり! 枝豆を浅漬け風にしてあるのかな? そこに一緒に実山椒も漬け込んであるようで、まずシンプルな塩味以外の枝豆というのが新鮮だし、山椒のしびれる刺激が爽快。いつもの枝豆が、ゆっくり大切に食べたいおつまみにグレードアップしてる感じなんです。
それをまぁ、いつもどおりお手軽に、なるべく簡単に手に入る材料で再現してみようというわけで。
○材料は、枝豆、浅漬けのもと、粉山椒だけ!
もちろん新鮮な生のものでもいいんですが、そういうものはやっぱり塩ゆでで素材の味を堪能したいですもんね。ゆで枝豆を作りすぎて残ってしまったなんてときは、それを素材にしてもいいでしょう。
で、市販の浅漬けのもとと、山椒。これまたどんなものでもOK。そりゃあ実山椒があれば風味はより増すでしょうが、おなじみの小瓶入り粉山椒で作ってもじゅうぶん美味しかったです。
材料が揃えばやることは簡単。浅漬けのもとに冷凍のままの枝豆を浸し、そこに好きなだけ山椒をふりかけて全体を混ぜ、2、30分置いておくだけ。写真ではボウルを使ってますが、もちろん食品用ビニール袋などでも大丈夫。
解凍された枝豆に浅漬けのもとの味が染み込み、そこへさらに山椒の風味が加わり、もうすっかり味がなじんでいます。夏の夕方、ひとっ風呂浴びる前に仕込んでおけば、湯上がりには即、こいつをつまみにビールが飲めますよ。
いや~これがね、本当にいいつまみになるんだ! もともと塩味がついている枝豆に、さらに甘酸っぱい浅漬けの風味が加わり、ちびちびと食べすすめるごとに山椒のピリリとしびれる辛味が効いてきて……。冷蔵庫のビールのストック、多めに用意しておくことをおすすめします。
○【材料】
・冷凍枝豆:好きなだけ
・浅漬けのもと:枝豆が浸る量
・粉山椒:好きなだけ
○【作りかた】
1.冷凍の枝豆を浅漬けのもとに漬ける
2.粉山椒を好きなだけふって(少量でも風味はつきます)、全体を混ぜる
3.2~30分置いて完成
パリッコ ぱりっこ 1978年東京生まれ。酒場ライター、漫画家/イラストレーター、DJ/トラックメイカー、他。酒好きが高じ、2000年代後半より酒と酒場に関する記事の執筆を始める。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。 この著者の記事一覧はこちら