愛知県稲沢市で3日に天下の奇祭「国府宮はだか祭」が行われるのを前に、街では準備が進み、祭ムードが高まっています。 高さ2m35cm、重さおよそ4トンの大きな鏡餅。クレーンで吊り上げ、はだか祭のシンボルとしてお供えされました。
参拝客の女性:「お餅の奉納のこの日に合わせて、2人で十数年来ています」参拝客の男性:「地域が盛り上がって一体になるんじゃないかなと思って、本当に楽しみにしています」3日に参加する男性:「なんせ厄落としなので、みんなしっかり厄落とししてほしいなと思います」3日に参加する別の男性:「皆さんちょっと心が踊っているぐらいの感じで。2年分溜まっていたものが、ここにきて噴き出しているんじゃないのかなと」 はだか祭は、下帯姿の「はだか男」達が数千人集結し、たった1人の「神男」目掛けて殺到するもみ合いがメインイベント。
神男に触ると厄を落とせるという言い伝えがあり、男たちが我先にと神男に群がるのです。
古くから恒例行事として親しまれてきましたが、2021年から2年連続で、新型コロナによりもみ合いは中止に。今年は3年ぶりに復活します。さはし呉服店の佐橋さん:「ワクワクします。気持ちがいいですね」 復活を喜ぶのは、神社近くにある呉服店の親子です。はだか祭で男たちが頭などに巻く「なおい布(ぎれ)」は、厄除けの御守りとして愛用されます。
2日も、もみ合いに参加する男性が購入に来ました。3日に参加する男性:「どんなはだか祭になるか、久しぶりなので楽しみです。ケガせんように帰ってくるだけですね」 問い合わせの電話も入ります。さはし呉服店の鈴木さん(電話):「小学校1年生?一応17センチと18センチがありまして。サイズが分かれば取っておきますので」さはし呉服店の鈴木さん:「お孫さんの足袋の注文だったんですけど。(問い合わせは)お祭が近くなってくると、お子さんも急に出たくなったりとかあるので」
はだか祭ではもみ合いが有名ですが、パレードや鏡餅の奉納など、老若男女が参加します。
稲沢市内の小中学校は当日休みになり、まさに街ぐるみのお祭です。 国府宮神社近くにある稲沢市民病院でも、備えが進んでいます。
稲沢市民病院の院長:「広いスペースになっております。こちらがお祭によって体調を崩された方々の治療場所になります」 倉庫には大量の毛布が積まれていました。
2018年のはだか祭当日の映像には、廊下やロビーに敷かれた毛布などの上に横たわって治療を受けるはだか男達の様子が映っています。激しいもみ合いに、運び込まれる人が続出しました。過去には亡くなった人も出るほど危険な祭です。
今年も運び込まれるはだか男を受け入れるため、一般外来の待合フロアにある椅子をすべて移動させ、倉庫に備えた毛布などを敷く予定で、3日の午後からは一般外来を制限して対応するのだそうです。稲沢市民病院の院長:「こういう時期ですので、自制が効いた祭りになるのか、あるいは3年ぶりということで反動が来て騒ぎが大きくなるのか。ケガ人等は例年のことを考えますと出ますので、そこはしっかりと当院としましても最寄りの病院として診療体制は整えておきたいと考えております」